「非電化」化で災害復旧の奥羽本線「新庄―院内」間、想定ダイヤはどうなりそうか?
JR東日本東北本部が、2024年7月25日の豪雨被害により運転を見合わせている奥羽本線の新庄―院内間45.8kmについて2025年ゴールデンウィーク前の運転再開を予定していることを発表した。運転再開時には、これまで同区間で使用されていた701系電車ではなく、GV-E400系電気式気動車を導入し、同区間の架線設備を順次取り外していく方針であることは、記事(まさかの「非電化」化で災害復旧!? 豪雨被害で運休中の奥羽本線「新庄―院内」間、架線設備を撤去へ)でも詳しく解説した。一部区間については、GV-E400系に加え、従来型のキハ110系気動車による運行を検討しているという。今回は、同区間の復旧後のダイヤがどのようになりそうなのか考察してみたい。
2024年3月のダイヤ改正時の時刻表では、新庄駅から院内方面には、新庄―秋田間150.1kmの普通列車が7.5往復、横手→新庄間の上り列車が1本運行されている。さらに、新庄―真室川間15.4kmに2.5往復の区間列車が設定されており、このうち1.5往復は気動車による運行となっている。院内からは、院内―秋田間104.3kmに1.5往復と横手→院内間33.9kmの上り列車が設定されており、湯沢、横手と秋田方面に向かうにつれて列車本数は徐々に増えていく。
院内駅には秋田方面から2本の折り返し列車が設定されていることから、駅の設備的には列車の折り返し運転を行うことが可能であるため、東北本線の新白河駅のように院内駅で列車の運転系統が完全に分離されるケースが想定される。被災前に701系電車で運行されていた新庄―秋田間の直通列車は院内―秋田間の折り返し運転に改められ、新たに導入されるGV-E400系気動車が新庄―院内間のピストン輸送に使用されることが想定される。
701系電車で運転が行われていた新庄―真室川間の区間列車についてもGV-E401系の運行に改められ、現在、キハ110系により運行が行われている区間列車については、そのままとなりそうだ。
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