旭川―網走間結ぶ「特急大雪号」廃止へ! 3月改正でH100形による特別快速に…車内設備はどうなる?
JRグループが例年3月ダイヤ改正の内容について発表する時期が近づいてきたが、この正式発表に先立って北海道新聞の報道により、JR北海道のダイヤ改正の内容が明らかにされた。この中で、かねてより快速列車への格下げが示唆されていた特急大雪号は、3月のダイヤ改正より旭川―網走間を結ぶ特別快速大雪号として運行されることがわかった。
現在、特急大雪号は、特急形のキハ283系気動車3両編成により運行が行われているが、ダイヤ改正後に運行が開始される特別快速大雪号は一般形のH100形気動車2両編成による運行となり、ワンマン化によりコスト削減を目指すという。報道によると、特別快速大雪号に使用されるH100形は、地元の要望に基づき座席の一部を改造して通常のH100形より座席数を増やす。
特急大雪号に使用されているキハ283系は1両の座席定員数が50~60名でリクライニングシートなのに対して、一般形のH100形は1両の座席定員が36名しかなく、4人用と2人用のボックスシートが3組と残りの座席は通勤電車と同じロングシートとなっていることから、そのままでは車内設備が大きく劣る。
特急列車から快速列車への格下げ事例では、1999年3月の山形新幹線の新庄駅乗り入れにともない山形―秋田間を結んでいた特急こまくさ号が、新庄―秋田間に運転区間を短縮して快速列車に格下げされた例があるが、車両のグレードが、特急形でリクライニングシートの485系電車から、通勤仕様のオールロングシートの701系電車に落ち、快速格下げから2年半で廃止されてしまっている。新庄―秋田間の所要時間は2時間以上に及び、車両のグレードが落ちたことが客離れを招き早期の廃止を招いたのではないかとも言われている。
現在、特急大雪号は、旭川―網走間を約4時間で結んでいるが、この距離を座席定員の少ない一般形の車両で乗り通すのはやや酷である。JR北海道は、地元の要望に基づき座席の一部を改造するとしているが、それが4時間の乗車にも耐えうる車内設備となるのかは気がかりだ。
(了)