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七色の光が映す一体感。キスマイ『2015 CONCERT TOUR KIS-MY-WORLD』

杉谷伸子映画ライター

4th アルバム『KIS-MY-WORLD』を引っさげたKis-My-Ft2のドームツアー『2015 CONCERT TOUR KIS-MY-WORLD』。東京ドームでは彼らにとって初となる4日連続公演を開催。スペクタクルな演出で楽しませたツアーの東京ドーム初日となった9月17日の公演を取材。公演前には囲み会見も行われた。

ド派手な演出、華麗な滑り、サプライズ。

ライブのコンセプトは「鏡の世界」。ステージに現れたピエロが手にした鍵で扉を開け、観客を鏡の世界へ誘うというストーリー性のあるオープニングに続き、メインステージにいたはずのKis-My-Ft2(北山宏光千賀健永宮田俊哉横尾渉藤ヶ谷太輔玉森裕太二階堂高嗣)が、一転、後方ステージから登場するというイリュージョンな演出でのっけからドームはヒートアップ。さらに、その7人がフライングで最大45mの高さまで上がり、メインステージまでの100メートルを移動するのだ。大阪・福岡では25mだった高さが45mまでアップしたことで、ドームの3階席でもメンバーと視線が遭うというアガる演出がますますドームの空気を熱くする。

メインステージの巨大LEDの奥から巨大なスケートバンクセットが出現し、メンバーカラーに光る電飾ローラースケートを履いた7人がアクロバティックなスケーティングを披露するというパフォーマンスにも魅せられるが、ローラースケートで外周花道をかけめぐり、巨大会場でも観客との距離を感じさせないのもキスマイのコンサートならでは。後方ステージに特効の大きな爆発音とともに何本もの火柱が吹き上がるなかでアグレッシブなダンスを披露する迫力にも、圧倒されずにいられない。

そして、この日は北山の30歳の誕生日。メンバーカラーと白の8色に変化するペンライトを用いて、歌っているメンバーに合わせて会場全体でペンライトの色を変えていく『サクラヒラリ』。本来なら曲のラストで北山のリードに従って白から桜色へとウェーブのように客席の色が変わっていくところを、この日はサプライズで「ヒロミツ オメデトウ」とスタンド席に文字が浮かび上がるという仕掛け。このサプライズ企画への協力の呼びかけが、開演前にモニターに映し出されていたのがまた、特別な日のライブ参戦へのワクワクを盛り上げていた。

自然発生的なアクションが物語るもの

そのペンライト。公演中のMCでも観客が自分のペンライトの色を目の前にいるメンバーカラーに変えてくれるという話題が出ていたが、会見でも北山が「今回、ちょっと面白い現象というか」と、演出として観客に呼びかけているのではなく、彼らが外周花道にいるときにも自然発生的に色を変えてくれることへの喜びを話すと、その現象に「感動した」とメンバーも口々に語っていたのが印象的だった。

客席から自然発生的に生まれるアクションは、アーティストとファンの心の近さを物語る。7色の光に彩られたドームの客席がたんなる光の演出以上の美しさを感じさせるのは、そこにそうした一体感があるからだ。

そして、今年もすごい盛り上がりを見せていた舞祭組の楽曲のかずかず。その熱気が物語る彼らの活躍と相まって、メンバーそれぞれの活躍がKis-My-Ft2にもたらすパワーを感じずにいられないドームツアー。10月28日、29日にはナゴヤドームでの開催が待っている。

10月15日スタートの玉森主演ドラマ『青春探偵ハルヤ〜大人の悪を許さない!〜』の主題歌『AAO』(読み:エイエイオー)(10月14日発売)、主演映画『レインツリーの国』(11月21日公開)の主題歌『最後もやっぱり君』(11月11日発売)と2ヶ月連続リリースを控えるキスマイ。さらには舞祭組のファーストアルバムも発売決定した。2015年の秋、波に乗るキスマイとファンのエイエイオーが聴こえる。

映画ライター

映画レビューやコラム、インタビューを中心に、『anan』『SCREEN』はじめ、女性誌・情報誌に執筆。インタビュー対象は、ふなっしーからマーティン・スコセッシまで多岐にわたる。日本映画ペンクラブ会員。

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