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10月の真夏日 暑いのも程がある

片山由紀子気象予報士/ウェザーマップ所属
佐渡沖に台風18号から変わった低気圧があり、暖かい空気が日本に(著者加工)

 この秋はどこかヘン。10月になっても真夏日が続出し、4日(金)は東京都練馬区で30.5度まで上がった。10月の真夏日はけして多くはない。この先、寒暖差が大きくなりそうだ。

10月になっても台風が、10月になっても暑い

 タイトル表紙は4日正午の雲の様子(著者加工)です。佐渡沖には台風18号から変わった低気圧があり、北日本に雨雲がかかっています。そして、左下の図は暖かい空気と冷たい空気を示したもの(850hPa気温偏差図)で、台風18号の暖かい空気に加えて、中国大陸にかけても気温が高いことがわかります。秋の冷たい空気(寒色)は雲帯の北側にあります。

 本来ならば、この秋の空気が日本列島にやって来る頃ですが、やって来るのは台風ばかり。これでは季節は進みません。

145年間で17日

 近年、暑いのが当たり前のように感じますが、それにも限度があります。東京で10月に真夏日(日最高気温が30度以上の日)となったのは記録が残る1875年(明治8年)以降で17日です。こちらは10月の真夏日をグラフにしたものです。ずいぶんとスカスカな印象です。

【東京】10月の真夏日 1875年から今年10月4日まで(著者作成)
【東京】10月の真夏日 1875年から今年10月4日まで(著者作成)

 それもそのはず、10月の真夏日は容易に数えられるくらい少なく、最近になって少し多くなったくらい。10月に真夏日が2日あったのは1915年、2013年、2016年、2018年の4年だけです。

寒暖差が大きい10月に

 南北に長い日本列島、当然のことながら札幌では10月に30度を超えたことがない。一方、鹿児島は10月下旬でも30度を超えることがあり、同じ10月でも気候はずいぶんと違います。

 そう感じたのは10月に訪れた鹿児島で、桜島フェリーターミナル近くの公園の足湯に浸かったときです。日差しも暑くて、参りました。

「桜島」溶岩なぎさ公園足湯 手前に足湯、奥に見えるのが錦江湾(著者撮影)
「桜島」溶岩なぎさ公園足湯 手前に足湯、奥に見えるのが錦江湾(著者撮影)

 東京の最後の真夏日は2013年10月12日です。その年の10月は全国的に気温が高く、11月になって急に寒くなりました。季節外れの暑さは反動も大きい。

 5日(土)の東京の予想最高気温は32度ですが、6日(日)は25度に急降下。寒暖の差が激しいと体調にも影響しそうです。

気象予報士/ウェザーマップ所属

民放キー局で、異常気象の解説から天気予報の原稿まで幅広く天気情報を担当する。一日一日、天気の出来事を書き留めた天気ノートは128冊になる。365日の天気の足あとから見えるもの、日常の天気から世界の気象情報まで、天気を知って、活用する楽しみを伝えたい。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など。

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