Yahoo!ニュース

テニス最終戦・ATPファイナルズを戦い終えた錦織圭にとって、2018年はどんなシーズンだったのか!?

神仁司ITWA国際テニスライター協会メンバー、フォトジャーナリスト
ATPファイナルズのラウンドロビン第3戦で、ティーム(写真右)に敗れて、2018年シーズンを終えた錦織圭。2018年は、右手首のけがから見事なカムバックを果たしたシーズンとなった(写真/神 仁司)
ATPファイナルズのラウンドロビン第3戦で、ティーム(写真右)に敗れて、2018年シーズンを終えた錦織圭。2018年は、右手首のけがから見事なカムバックを果たしたシーズンとなった(写真/神 仁司)

 男子ワールドテニスツアー最終戦であるATPファイナルズ(11月11日~18日、イギリス・ロンドン・O2アリーナ)の大会5日目に、レイトン・ヒューイットグループのラウンドロビン(総当たり戦)の第3戦で、第7シードの錦織圭(ATPランキング9位、11月12日付け、以下同)は、第6シードのドミニク・ティーム(8位、オーストリア)に、1-6、4-6で敗れた。

 錦織は、1勝2敗でラウンドロビンを4位で終え、準決勝進出はならなかった。ロンドンでは、第2シードのロジャー・フェデラー(3位、スイス)に勝利したものの、良いテニスの感覚を終始取り戻せず、「あんまりいい終わり方じゃなかったですね」と振り返った。

 ATPファイナルズでの錦織のプレーは、たしかに少し残念な内容ではあったが、28歳の錦織にとって、今季は、2017年にした右手首のけがから見事なカムバックを果たしたシーズンとなった。

 1月の開幕戦やグランドスラム初戦のオーストラリアンオープンに錦織は間に合わなかった。だから復帰当初、ATPファイナルズの出場は現実味が薄かったため、本当にここまでよく辿り着けたという印象が強い。

「十分すぎる一年だったというか、ここ(ファイナルズ)に出られなくてもおかしくなかった」

 こう語る錦織は、9月のUSオープンでのベスト4以降、安定した成績を残して、11月5日のランキングでは2017年9月以来のトップ10復帰を果たした。

 錦織は、「いろいろ乗り越えた1年だった」と振り返る。

 復帰当初は右手首の痛みと戦いながらプレーをした。さらに、右手首の負担を少しでも減らそうとしてサーブのフォームを改良した。幸い右手首の痛みが再発することはなかった。フィジカルも充実していき、好成績を収めた秋シーズンには体のどこも痛めることなく乗り切ってみせた。

「十分よかった1年でしたし、少しずつ良くなっていった。いろんなことをけがから復帰して、乗り越えたというか、良くなった部分もたくさんあったと思います」

 29歳になって臨む2019年シーズンに、錦織は、再び長年の悲願であるグランドスラム初制覇に向けて挑戦することになる。

ITWA国際テニスライター協会メンバー、フォトジャーナリスト

1969年2月15日生まれ。東京都出身。明治大学商学部卒業。キヤノン販売(現キヤノンMJ)勤務後、テニス専門誌記者を経てフリーランスに。グランドスラムをはじめ、数々のテニス国際大会を取材。錦織圭や伊達公子や松岡修造ら、多数のテニス選手へのインタビュー取材をした。切れ味鋭い記事を執筆すると同時に、写真も撮影する。ラジオでは、スポーツコメンテーターも務める。ITWA国際テニスライター協会メンバー、国際テニスの殿堂の審査員。著書、「錦織圭 15-0」(実業之日本社)や「STEP~森田あゆみ、トップへの階段~」(出版芸術社)。盛田正明氏との共著、「人の力を活かすリーダーシップ」(ワン・パブリッシング)

神仁司の最近の記事