リクルートが打ち出した新しい「働き方」は大胆不敵だった!
リクルートホールディングスが今年10月から、全社員に好きな場所(自宅でもカフェでも)で仕事をしてもかまわない、という方針を打ち出すようです。(出展:全社員が在宅勤務OK ちゃんと仕事は回るの?)
日ごろから現場で支援している経営コンサルタントの立場からすると、非常に興味深い記事です。
普通、仕事のパフォーマンスを上げるためには適度な緊張感が必要です。これは「ヤーキーズ・ドットソンの法則」でも言われていること。組織において理想的な空気は「締まった空気」であり、過小なストレスしかかからない「緩んだ空気」も、過剰なストレスが与えられる「締めつけられた空気」もよくありません。
一般的な企業は、身だしなみ(服装や髪型)や業務時間、働く場所に関する統一ルールが設定されています。そこで働く人たちのパフォーマンスが上がるように、適度な緊張感を与えるためです。働く場所を自由にしてもよいという方針は、身だしなみ、時間、場所といった制限事項がなくなるため、リクルートの人たちは10月以降、かなり緊張感のない「職場」で働くことになります。
こういったルールが必要のない人は、自分自身で「締まった空気」を作ることができる人です。自分を律することができる人、適度に自己マネジメントができる人に限られます。
リクルートホールディングスの社員は良いかもしれませんが、このような働き方が他企業でも有効かというと、私の意見は懐疑的です。「性善説」のみでマネジメントができるのであれば苦労しません。「性善説」だけではうまくいかないので、多くの経営者、管理者の皆さんは悩んでいるのです。1年、2年が経ち、この取組がどのように評価されるのか、注視していきたいと思います。