第3戦の相手は北欧の古豪、ノルウェー。上位進出を狙うなでしこジャパンのキープレーヤーは?(1)
ポルトガルで行われているアルガルベカップに出場中のなでしこジャパンは、3月6日(月曜日)、 グループリーグ第3戦のノルウェー戦に臨む。
日本は初戦でスペインに1-2で敗れたが、第2戦では初招集ながら2ゴールを挙げた長谷川の活躍などで、アイスランドに2-0と快勝。
3位決定戦進出に望みをつないだ。
【ノルウェー女子代表とは?】
第3戦で対戦するノルウェーは、数々の実績を残してきた北欧の古豪だ。アルガルベカップでは過去4回の優勝経験がある。
また、1995年の女子ワールドカップと2000年のオリンピックで優勝した実績を持つが、近年はフランスやドイツ、スウェーデンといった強豪国の後塵を拝し、オリンピック出場は2大会連続で逃している。今大会は初戦でアイスランドと1-1で引き分け、第2戦はスペインに0-3と完敗し、通算1分1敗である。
最新のFIFAランキング(2016年12月23日付)では日本が7位、ノルウェーは11位。過去の対戦戦績は4勝3敗で、日本が勝ち越しているが、最後に対戦した2013年のアルガルベカップ(グループリーグ)では、日本が0-2で敗れている。
ノルウェーを率いるマーティン・シェーグレン監督は、2016年に就任し、UEFA欧州女子選手権(Women’s EURO)2017のグループ予選を7勝1分けの成績で勝ち抜き、本大会(今年7月にオランダで開催される)出場を決めた。
今大会のノルウェーは、代表キャップ数が「50」を超える経験豊かな選手と若手選手がバランスよく構成されている。キャプテンでDFのマレン・ミェルデは、27歳で110の代表キャップを持つ。国内リーグ(トップセリエン)でプレーする選手が多いが、現在は日本同様、シーズン開幕前である。
ノルウェーのサッカースタイルは、ロングボールやゴール前の高さを活かし、縦に速いダイナミックな攻撃が特徴だ。ロングボールを弾き返されても、セカンドボールを拾って2次攻撃、3次攻撃を仕掛ける。
その中で日本のキープレーヤーに挙げたいのが、センターバックの熊谷紗希だ。キャプテンとして、そしてディフェンスリーダーとして、ここまでの2試合をフル出場で、日本のディフェンスラインを統率してきた。経験の浅い選手たちをフォローしながら、スペインとアイスランドの屈強なFWに対し、1対1の強さを見せてきた。
その熊谷が、ノルウェー戦で 「彼女を抑えることがポイントになると思います。負けたくないですね」 と話すのが、FWのアーダ・ヘーゲルベルグだ。所属はオリンピック・リヨン(フランス)で、熊谷のチームメートでもある。2015-16年度のフランスリーグで、20試合で33ゴールを挙げ、UEFA女子欧州最優秀選手賞に輝いた21歳の若きストライカーだ。
【課題はゴール前でのコンビネーション】
高さやパワーのある相手に対し、日本の失点パターンで特に多いのが、サイドからのクロスに飛び込まれて決められる形だ。
「(センターバックを)組む選手と話して、最後のところでしっかりボールと相手に体を寄せられるようにしたいですし、その前に、クロスをサイドで上げられないようにすることが大切です。」(熊谷)
サイドからのクロスを上げさせないようにするためにも、まずはしっかりと連動した守備で相手にプレッシャーをかけ、日本がボールを持つ時間を長くしたい。
攻撃面では、相手のプレッシャーに対し、選手同士がいかに良い距離感を保ってパスを回すことができるか、ということが日本のサッカーをする上で鍵になる。試合前日の練習では、
「もっと(選手同士の間隔を)広げて!」
「相手を見てポジションを取れ」
と、高倉監督の声が飛んだ。
状況によっては、近いポジションにいる味方を一人飛ばすサイドチェンジや、長めのパスを織り交ぜることができれば、効果的だ。広い視野で複数のパスコースを作れれば、相手がマークを絞りづらくなり、個人の良さも発揮しやすくなる。
また、アイスランド戦で課題として上がった、引いた相手を崩す良いアイデアや、ゴール前でのコンビネーションが生まれることにも期待したい。
特に、FW陣は一様にゴールへの高い意欲を見せており、誰が試合を決めるのか、楽しみにしている。
日本が入ったグループBは、スペインのグループ首位がすでに決まっている。日本がこの試合に勝ち、スペインが負けた場合は勝ち点で並ぶが、そうなると当該チーム同士の対戦結果が反映されるため、日本に勝利しているスペインが有利になる。4試合目の最終戦は各グループの成績によって順位決定戦という形で争われるため、グループリーグのノルウェー戦に勝てば、日本は3位決定戦に進出できる可能性がある。
ノルウェー戦は、3月6日(火曜日)23時45分(日本時間)キックオフ。23時30分から、フジテレビ系列にて全国生中継(一部地域を除く)。
(2)【選手コメント】に続く