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興収100億円突破「ONE PIECE FILM RED」止まらない快進撃はどこまで続くのか

小新井涼アニメウォッチャー
映画館内装飾(筆者撮影)

公開から20日間で早くも興行収入100億円を突破し、この夏一番の盛り上がりをみせる映画「ONE PIECE FILM RED」。

先週27日からは新たな入場者プレゼントも開始され、この週末を経て発表されるであろう最新の興行収入記録にも益々注目が集まっています。

本作におけるここまでの興行収入の推移は一体どのようなもので、その快進撃はどこまで続いていくのでしょうか。

■公開3週間弱での快進撃

世界的人気を誇る「ONE PIECE」の映画最新作となる本作「ONE PIECE FILM RED」。原作者の尾田栄一郎氏が総合プロデューサーを務め、テレビアニメ放送開始前に制作された作品で「ルフィをこの世で初めてアニメ化」した谷口悟朗氏を再び監督に迎え、更には物語の重要な要素を担う“歌”を、Ado氏をはじめ名だたるクリエイター陣が手掛けるとあり、公開前から既にかなりの注目を集めていました。

そうした中、今月6日に公開された本作は、その週末2日間だけで興行収入22.5億円、動員157万人を記録。これは今年2022年に公開された作品の初週土日の興行収入、動員数で1位となる記録です。

その後、公開8日間(初回上映まで)で興行収入は50億円を突破。この時点で、ここ10年程も興行収入50億円前後の大ヒットを度々記録してきた本シリーズにおける、初の興行収入100億円突破が改めて現実味を帯びていきました。

そして公開10日間にしてシリーズ歴代最高記録となる興行収入70億円超えを達成し、更にその2日後には早々に80億円を突破。先週の22日月曜日には、公開16日間で興行収入92億円突破と発表されたかと思いきや、なんとその4日後には週明けを待たずに大台の興行収入100億円を突破したことが報じられました。

ここ数年は、「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」や「劇場版 呪術廻戦 0」など、興行収入100億円を突破するアニメ映画が続々と登場してきましたが、本作の100億突破までの驚異的なスピードはそれらをも凌ぐものです。

既に公開からは3週間以上が経ちましたが、通常であれば毎週末土日の興行を経て発表される最新興行収入記録が週明けを待たずに発表され続けていることからも、未だ週に10億円以上の単位で大きな推移が生じ続けていることが窺えます。

■快進撃はどこまで続くのか

そんな本作の盛り上がりをみて、早くも興行収入200億円突破を期待する声も生じていますが、来週で公開ひと月を迎える本作が次の大台を達成するかについては、ここから先は純粋な作品の面白さや盛り上がりに加えて、来月以降の各映画館での興行状況も、より重要となっていきそうです。

どうしてもスクリーン数や上映回数に限りのある映画館での興行では、今後公開を控える作品のラインナップやその反響によっては、たとえ話題作といえども公開から時間が経つ作品は徐々に上映回数や上映時間帯が絞られていきます。

そうして設定された上映時間が、観客達の鑑賞可能な時間帯と噛み合わなくなっていけば、まだ本作を映画館でみたいという人がいたとしても、毎回の座席の埋まり具合が疎らとなり、それを鑑みて上映回数が更に減っていくこともあるかもしれません。

興行成績は、当たり前ですがそもそも回数が上映され、そこに観客が動員されなければその伸びも徐々に緩やかになっていきますので、現在の快進撃がどこまで続いていくのかについても、特に来月以降からはそのあたりの状況に大きく左右されてくるのかと思います。

それでも、今週中の上映回数も、公開から3週間以上経つにもかかわらず充分に確保されており、興行側からの期待値もまだまだ高いことが窺える本作。

その快進撃はどこまで続くのか、夏休みシーズン終了後もその動向からはしばらく目が離せそうにありません。

アニメウォッチャー

北海道大学大学院国際広報メディア・観光学院博士課程在籍。 KDエンタテインメント所属。 毎週約100本以上(再放送、配信含む)の全アニメを視聴し、全番組の感想をブログに掲載する活動を約5年前から継続しつつ、学術的な観点からアニメについて考察、研究している。 まんたんウェブやアニメ誌などでコラム連載や番組コメンテーターとして出演する傍ら、アニメ情報の監修で番組制作にも参加し、アニメビジネスのプランナーとしても活動中。

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