シンガポールへF-35B垂直離着陸戦闘機の売却許可
1月9日、DSCA(アメリカ国防安全保障協力局)からシンガポール向けF-35B戦闘機の売却案が議会に通知されました。最大12機、予備エンジンなど交換部品および訓練サポートなど関連費用を含めて総額27億5千万ドル(約3000億円)です。
シンガポール空軍が垂直離着陸の可能なB型を選んだのは、自国の国土が非常に狭く使える滑走路も限られるため、滑走路が破壊されても残った短い部分からでも飛び立てる能力が有効だと判断されたためです。
そしてもう一つ、潜在的な理由があります。シンガポール海軍は現在運用しているエンデュランス級ドック揚陸艦4隻を代替するJMMS計画で、自国企業STマリン社が空母と同じような全通式飛行甲板を持つ強襲揚陸艦を提案しています。船体案の一つ「エンデュランス170」は全長170mとF-35Bを運用するには短いのですが(日本の「いずも」型は全長248m)、F-35B運用の為に更に大型の設計案を採用する可能性があります。
実現すればシンガポール軍がF-35B戦闘機を搭載する「空母」をもって南シナ海に現れることになるでしょう。それはシンガポール軍が従来用意できる戦力とは一線を画したプレゼンス(存在感)を発揮することが可能となります。