22万円のスマホ ライカ「Leitz Phone 2」は誰向けなのか
11月10日、ソフトバンクが独ライカカメラとコラボしたスマートフォンの新モデル「Leitz Phone 2(ライツフォン・ツー)」を発表しました。
価格は22万円を超えていますが、どういうターゲットを狙ったスマホなのでしょうか。評価用端末に触れてみた印象をお伝えします。
独自の撮影機能をさらに強化
2021年7月発売の前モデルと同様に、Leitz Phone 2の製造はシャープが担当。スマホとしての基本性能はシャープの「AQUOS R7」と共通とのことです。
ソフトバンクの5G通信やおサイフケータイへの対応など、日常的なスマホの使い勝手に不安を感じることはないでしょう。
それに加えて、カメラアプリや本体の外装を中心に、今回もライカによるさまざまなこだわりを搭載している点が違いとなっています。
カメラアプリには独自の撮影モード「Leitz Looks(ライツルックス)」を備えており、ライカの定番レンズである「Summilux 28」「Summilux 35」「Noctilux 50」をデジタル処理によってシミュレートできるとのことです。
また、Androidのウィジェットとして「Golden Hour Widget」を搭載。美しい写真を撮るのに適しているとされる日の出後・日没前の時刻を簡単に確認できるようになっています。
本体にはレンズキャップと保護ケースが付属しています。キャップはマグネットで簡単に着脱が可能。撮影のたびにキャップを取り外すのは面倒ですが、普通のスマホに比べて「写真を撮る」気分は高まります。
背面にはガラスパネルを採用。「ライカM8 ホワイト」をモチーフにしたというホワイトカラーと赤いロゴマークが印象的です。
本体の側面にはローレット加工による凹凸がついています。キャップを外すときや撮影するときにはスマホをしっかり手で持つ必要がありますが、滑らないのは好印象です。
基本スペックも前モデルから向上しており、1インチのイメージセンサーは4720万画素に、プロセッサーはQualcomm製の「Snapdragon 8 Gen 1 Mobile Platform」に、それぞれ強化されています。
個人的に気に入った点としては、新たに「ワイヤレス充電」に対応したことです。付属の保護ケースを付けた状態でも、スタンドに置くだけですぐに充電できます。
スマホのカメラとして気になったのは、前モデル同様に望遠が弱いという点です。レンズの焦点距離は35mm換算で19mm、デジタルズームは最大で6倍にとどまっており、「皆既月食」のような場面での撮影には向いていない印象でした。
ただ、このスマホの位置付けとして、望遠性能を競い合う他社のスマホに真正面から対抗するというよりは、ライカの世界観をモバイルで体験してもらいたいという意図が感じられます。
そのターゲット層について、ソフトバンクは「ライカのカメラを使っているユーザー様や、我々が『ライカ憧れ層』と呼んでいる方々に手に取っていただきたい」と狙いを語っています。
「最初のライカはスマホだった」という人が、これから増えていくのかもしれません。
「新トクするサポート」利用可能
Leitz Phone 2の価格は税込22万5360円と、前モデルの税込18万7920円から上がっています。
値上げの理由について、ソフトバンクは昨今の円安の影響も含まれていると説明しています。
実際の負担額は、ソフトバンクの「新トクするサポート」を利用するかどうかで大きく変わります。約2年で端末を返却するなどの条件を満たすことで、約半額となる11万円台で利用できる仕組みです。
スマホとして高価格帯であることに変わりはありませんが、ライカのカメラ製品の価格帯に比べれば、手を出しやすいオファーといえます。
販売にあたっては、全国約4000店のソフトバンクショップのうち、850店舗に限定して取り扱うことでプレミアム感を出していくとのこと。全国のライカストアでは、購入はできないもののデモ機の体験ができるそうです。