今年も受賞者ゼロ…韓国の“ノーベル賞コンプレックス”解消の日はいつか
京都大学の本庶佑・特別教授のノーベル医学生理学賞受賞の喜びに沸いた日本。本庶氏らが開発した免疫療法は、ガンの新しい治療法として期待を集めている。日本人のノーベル賞受賞は、2016年の東京工業大学・大隅良典栄誉教授以来、2年ぶりだ。
日本ではノーベル賞受賞という偉業が毎年恒例になりつつもあるが、そんな日本とは対照的に今年もガクリと肩を落としたのが韓国である。
「日本のノーベル賞23人に…“さらに”広がった韓日の格差」(『忠清トゥデイ』)、「ノーベル賞、韓国と日本の差は1-26に」(『グローバルエコノミック』)、「日本で相次ぐノーベル賞に沈む韓国科学界…“落胆してはならない”」(『ニュース1』)といった具合に、日本と比較した見出しが各種メディアに並んだ。
「韓国の受賞者は2人いる!!」との主張も…
隣国である日本が毎年のようにノーベル賞を受賞していることが影響しているのか、近年では「韓国のノーベル賞受賞者は2人いる!!」などと報じるメディアもあったほどだ。
(参考記事:「韓国のノーベル賞受賞者は2人いる!!」韓国が主張する“もう一人のノーベル賞受賞者”とは)
その他にも「ろうそくデモは平和賞の対象ではないか」「“韓国人推薦者”を増やすべきだ」などと、ノーベル賞ウィークになるとさまざまな案が出てくるのが、韓国の恒例となっている。
韓国がこれまでノーベル賞を受賞したのは、2000年に平和賞を受賞した故・金大中元大統領が唯一。物理学賞や化学賞などの科学分野の受賞はない。
それだけに韓国が何より渇望しているのは、科学分野のノーベル賞受賞なのだが、だからこそハードルが高いと感じざるを得ない。科学分野では、かつてノーベル賞間違いなしと言われるも“嘘つき教授”に成り下がったファン・ウソク捏造事件が有名だが、あれから10年以上が過ぎた現在もこれといった候補者がいない。
科学分野の受賞を渇望しているが難しい理由
まして近年は日本だけではなく中国までも科学分野でノーベル賞を受賞したことで、韓国の焦りはなお募る。研究開発(R&D)予算を大量に投入していることも、そのひとつの表れだろう。
韓国政府は来年度の予算を20兆ウォン(約2兆円)以上としたが、そんな韓国に対して世界的権威を持つ科学誌『Nature』が厳しい指摘をしていたこともあった。
(参考記事:“ノーベル賞コンプレックス”に苦しむ韓国に世界的科学誌が突きつけた厳しい指摘とは?)
韓国メディア『Biz FACT』の「韓日科学界の現在地を見せてくれたノーベル賞“23対0”」という記事では、「今年の授賞式もいつものように、私たちと関係のない“彼らだけの宴”だ」と嘆きながら、「ノーベル賞は基礎科学の競演場だ」と指摘。しかし、「韓国は基礎科学よりも金儲けにつながる商業用技術や科学を重視する雰囲気が蔓延している」と、自国を猛烈に批判した。
実際に研究開発(R&D)予算20兆ウォンのうち、基礎科学研究分野に対する予算は1兆6500ウォンと、10分の1以下だという。基礎科学をおろそかにする限り、韓国がノーベル賞に近づくのは難しいというわけだ。
そんな韓国科学界の現状に限界を感じているからか、ネット界隈では天才待望論も少なくない。数年前にも“天才少女”騒動が起こっていている。
(参考記事:ハーバードとザッカーバーグが惚れ込んだ頭脳!? 韓国の“天才少女”騒動)
いずれにしても、今年も韓国は蚊帳の外だったノーベル賞。日本と韓国を単純比較するだけでなく、韓国メディアの中には「日本から学ぶべき」との声も年々増加しているだけに、これからに期待したい。