【なぜ平成仮面ライダーは未来へ輝き続けるのか?】平成は終わらない!個性溢れる平成ライダー達の魅力とは
みなさま、こんにちは!
文学博士の二重作昌満(ふたえさく まさみつ)です。
猛暑が続いておりますが、皆さまいかがお過ごしですか?
さて、今回のテーマは「平成」です。
「平成」とはご存知の通り、1989年に改元された日本の元号です。
昭和に代わって日本の新年号となった「平成」の時代、様々なことがありました。
大きな国際紛争に我が国が巻き込まれなかったという良いこともあった反面、
幾度も大災害が発生し、胸が張り裂けるような悲しみが日本を包んだのも事実。
しかし、そんな平和と混沌が入り交じった「平成」の時代ー。
新時代を精一杯生きる人々の心に寄り添うかのように、テレビや映画の世界では、たくさんの英雄達が誕生し、人々の希望を守っていきましたー。
その最たる例であったのが、後に「平成ライダー」と呼称される、平成生まれの仮面ライダーシリーズでした。
仮面ライダーシリーズは皆さまご存知、東映制作の国民的特撮ヒーロー番組であり、約60年に渡る歴史を誇ります。
今や親子三世代で愛されているほか、海外でも高い人気を誇る当シリーズの中で、現在も圧倒的な支持を誇るのが、平成仮面ライダーシリーズ。
「平成」という新時代の申し子である平成仮面ライダー達は、昭和の仮面ライダー達が守った「世界の平和」ではなく、みんなの笑顔や居場所、人々の夢や希望など、それぞれ守るもののために悪しき者達と戦い続けました。
今回はそんな平成仮面ライダーシリーズの魅力と、全ての平成仮面ライダーを巻き込んだ壮大な戦いについて触れていきたいと思います。
※本記事は「私、アニメや特撮にくわしくないわ」という方にもご覧頂けますよう、可能な限り概要的にお話をしておりますので、ゆっくり肩の力を抜いて、気軽にお楽しみ頂けたらと思います。
【昭和から平成へ】挑戦に次ぐ挑戦!新たなヒーロー像を確立した平成仮面ライダーシリーズの歴史とは?
さて、本記事では平成仮面ライダーシリーズの魅力について語っていきますが、その前に少しだけ、仮面ライダーシリーズについておさらいをさせてください。
仮面ライダーは、漫画家・石ノ森章太郎先生の原作で生み出された特撮ヒーローのことです。1971年にシリーズ第1作『仮面ライダー(1971)』の放送が開始され、主人公が悪の秘密結社ショッカーによって改造手術を施されて、バッタの能力を持った大自然の使者・仮面ライダーとなり、人間の自由と世界の平和を守るため、愛車であるバイク(サイクロン号)に乗り、毎週ショッカーが送り込む恐ろしい怪人達と戦う物語が展開されました。
その結果、『仮面ライダー(1971)』は国内で社会現象的な大ヒットを巻き起こし、次回作『仮面ライダーV3(1973)』や『仮面ライダーアマゾン(1974)』等、派生作品が次々に放送され、昭和の仮面ライダーシリーズとして定着していくことになります。
そしてシリーズ第9作『仮面ライダーBLACK RX(1988)』の放送中、我が国は大きな時代の転機を迎えました。
それは、元号が「昭和」から「平成」へと改められたことでした。
よって、昭和の仮面ライダーシリーズのテレビ放送は『BLACK RX(1988)』を最後に終幕することになり、平成仮面ライダーシリーズの放送開始はなんと約12年後の2000年まで待たなければなりませんでした。
平成仮面ライダーシリーズ第1作となったのが『仮面ライダークウガ(2000)』であり、本作で試みられたのが、仮面ライダーシリーズにおける「既成概念の破壊」でした。
つまり「仮面ライダー=改造人間」、「仮面ライダー対悪の秘密結社」、「奇声を放つ戦闘員の集団と、それを率いる悪の怪人」といった、昭和の仮面ライダーシリーズで定着していた概念、いわば「お約束」を破壊し、平成という時代に適合した新たな仮面ライダーを創造しようとしていたのです。
シリーズのバトンは『仮面ライダーアギト(2001)』や『仮面ライダー龍騎(2002)』といった後続の仮面ライダーシリーズに次々と受け継がれることとなり、元号が平成から令和に変わるまで放送された全20作の仮面ライダーシリーズは、「平成仮面ライダーシリーズ」として定着することになりました。
そんな約20年に渡る平成仮面ライダーシリーズの歴史ですが、シリーズを通じて共通して行なわれたのは、やはり先述した「既成概念の破壊」でした。ざっくりいえば「どこまでやれば仮面ライダーとして許されるのか?」といった、まるで世間の仮面ライダーに対するイメージを解体するような挑戦が続いていたのです。
昭和の仮面ライダーシリーズは、正義感の強い若者達が改造手術を施されて仮面ライダーとなり、彼らは悪の秘密結社相手に「世界の平和」を守るために戦うという物語構成を毎作繰り返してきたのに対し・・・。
平成仮面ライダーシリーズは、変わり者やお人好し、猫舌青年や古風な転校生といった個性豊かな若者達が突然仮面ライダーになる力を得て、理不尽な暴力から人々を守りつつ、己の信じるものを主張しながら戦うという、毎作異なるドラマが描かれました。
昭和仮面ライダーシリーズに親しんだ視聴者の目線から見れば、もしかしたら「平成仮面ライダーなんて仮面ライダーじゃない!」「ライダーとして認めない!」という旨の意見や、拒否反応も少なからずあったかと思います。
現在は親しみをこめて「平成ライダー」と呼称される平成の仮面ライダー達。
この平成ライダーの存在そのものの是非を問う論争ですが、なんと映画の題材として描かれるまでに発展しました。本作に登場する悪役達は平成ライダーの存在を否定するどころか、なんと「平成は醜い」と時代そのものまで消し去ってしまおうという暴挙にまで及んでしまいました。
しかし、そんな頑愚かつ視野の狭い理不尽な暴力から、平成を生きる人々を守るために立ち向かったのも平成ライダー達でした。次章からは、平成ライダー達と平成を消し去ろうとする謎の集団「クォーツァー」との戦いに焦点を当てていきます。
【お前たちの平成って、醜くないか?】思うとおりに生きる者達、平成ライダーの戦いと新時代への希望とは?
約20年に渡り積み重ねられてきた平成仮面ライダーシリーズの歴史ー。
西暦2019年、時代は「平成」から「令和」へと移行し、平成仮面ライダーシリーズもいよいよ、平成最後の仮面ライダーシリーズを飾る映画を世に送り出すことになります。その作品とは『劇場版 仮面ライダージオウ Over Quartzer』。
本作は平成仮面ライダーシリーズ第20作にして最終作『仮面ライダージオウ(2018)』の劇場版。「仮面ライダーの王」を目指す時の王者・仮面ライダージオウが、歴代の平成ライダー達と力を合わせ、歴史の管理者を名乗る謎の集団「クォーツァー」と戦う物語として、全国公開されました。
この「クォーツァー」のねらいは、平成ライダーの歴史を破壊し「平成」という時代を作り直すこと。その党首であるSOUGO(仮面ライダーバールクス)は、平成にまつわる全てを否定し、平成に誕生した人や物を全て消失させ、平成そのもののリセットを試みます。
細かい理屈や理論上の矛盾はともかく、SOUGOはとにかく自分達の望む形で、平成という時代をやり直そうとしたのです。
「お前たちの平成って、醜くないか?まるでデコボコで、石ころだらけの道だ。俺が平成という道を、綺麗に舗装し直してやろうっていうことを。」(SOUGO)
SOUGOがここまで平成のリセットに拘るのはなぜかー。その根本的な要因は平成仮面ライダーシリーズにありました。毎作世界観はバラバラで繋がりもなく、まとまりがない平成仮面ライダーの歴史を自分が美しく舗装してやりたいと考えたのです(身勝手を通り越して、なんとも言い難い理由ですが・・・)。
ここで「勝手にまとめるなよ!」と奮起したのが、ジオウをはじめとする平成仮面ライダー達。一度はSOUGO(バールクス)に捕らえられたジオウでしたが、牢屋の中で意気消沈した彼を奮起させたのは、とある「仮面ライダーになれなかった」男でした。
彼の名は「ノリダー(演:木梨憲武)」。
ノリダーは平成の時代、悪と戦った改造人間であるにも関わらず、仮面ライダーとして認められなかった人物でした。彼はジオウに「今平成仮面ライダーを背負っているのはお前だ」と叱咤激励し、姿を消します。
ジオウは「自分が王になりたかったのは、世界を良くするためだ」と自分の願いの原点に立ち戻り、「究極の姿」へと進化を遂げます。彼の登場と共に、「クォーツァー」の影響で消えていた平成仮面ライダー達は次々に復活し、ジオウに加勢していきます。
さらにテレビの世界だけでなく、「ネット配信」や「マンガ」、「舞台」の世界で活躍していた他媒体の平成ライダー達も溢れだし、「クォーツァー」を追い詰めていきます。
その歴史の豊潤さを見せつかるかのごとく、多種多様な数と戦力を結集させた平成ライダー達の団結で一気に形勢は逆転。残るは党首であるSOUGOのみ。ジオウ率いる20人の歴代平成ライダー達は、巨大化したSOUGO(バールクス)に「平成ライダーキック」を打ち込み、バールクスを葬ります。
ジオウは生き残った「クォーツァー」の面々を説得し、党首を失った彼らと和解し退散させます。平成の世に、再び安らぎの平和が戻ったのですー。
ジオウとその仲間達は新たな時代へのページを開いていくのでしたー。
上述してきた平成仮面ライダーシリーズ第20作『仮面ライダージオウ(2019)』の放送終了後、仮面ライダーシリーズは次なる時代「令和」においても活躍の場を広げていくことになります。
上記のいわゆる「令和ライダー」の活躍が国内外で続いている一方、平成ライダー達の活躍は現在も途切れることなく続いています。時に彼らの「その後の物語」が描かれたほか、令和ライダー達のピンチに平成ライダー達が駆けつけたこともありましたー。
昭和、平成、令和と連綿に紡がれてきた仮面ライダーシリーズの歴史。それぞれの時代を懸命に生きる人々の心に寄り添いながら、戦い続ける仮面ライダー達がこれからどんな進化を遂げていくのか、私も応援していきたいと思います。
最後までご覧頂きまして、誠にありがとうございました。
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