Yahoo!ニュース

画業30年。ジミー大西が明石家さんまから怒られた、たった一つのこと

中西正男芸能記者
画業30年を迎えたジミー大西さん

 1992年にテレビ番組の企画をきっかけに絵を描き始め、今年画業30年を迎えるジミー大西さん(58)。来年まで全国9都市で開催予定の巡回展「POP OUT」も4月27日からスタートします。絵を描くことを後押ししてくれた明石家さんまさんの教えは、その後のジミーさんの人生をも貫くものとなりました。

「人を喜ばせてナンボ」

 絵を描くようになって30年、あっという間やったなと思います。スペインとかマルタ島とか30年のうち3分の2は海外に行ってた感じでしたし、勉強したり、刺激を受けたり、挫折したり。ホンマに早かったなと。

 今も全部で100仕事があったら、90は絵の仕事で芸人の仕事が10くらいです。絵を描いてたから、ここまで芸能生活をやってこられたと思います。そして、絵の世界に飛び込めたのは明石家さんまさんの言葉があったからやと思います。

 「人を喜ばせてナンボやから。何をしてても、オレらの仕事は誰かが喜んでくれたらエエねん」

 この世界に入ってすぐの頃、さんまさんの運転手をしている時にもらった言葉で、これはね、ずっと、ずっと、僕の中にあるものです。

 今でこそ絵を描く芸人も増えましたし、お笑い以外にいろいろ動いていることが次につながる時代にもなりました。でも、僕が絵を描き始めた頃は芸人が笑い以外のことをやる流れはほとんどなかったんです。

 岡本太郎先生からお手紙もいただき絵の道に進むことを決めたものの、少しあった迷いをさんまさんの言葉が打ち消してくれました。

 絵という世界でも誰かが喜んでくれてたらエエんや。そう思えましたし、その後の人生でも道しるべになってくれていると思います。

唯一の叱責

 40年ほど前、僕がこの世界に入った頃からホンマにお世話になってきましたけど、若(さんま)にすごく怒られたことが一回だけありました。

 あるタレントさんの専属メイクの女性がいらっしゃって、その方の年齢的なことをシャレにして言うみたいなことを僕がしたんです。それでメイクさんが気分を害されたみたいで、その時は、そら、もう怒られました。

 もちろん何かを言って相手を不快にさせる。それ自体がダメなんですけど、そこのもう一つ奥というか、僕が自分のキャラクター、ニンを分かっていない。そこの“踏み外し”みたいなところを強く怒られたんです。

 僕はキャラクター的にエラそうにしたり、上から物を言うような人間ではない。人からイジってもらって、頭をかいてるようなキャラクターやし、頭を下げる方のキャラクターやと。

 それで皆さんに喜んでもらってるのに、何をお門違いなことをしてるんだと。そこから路線変更をして、この先ずっとエラそうなキャラクターで行き切るんやったらそれでもいい。それができないんだったら、しっかりと皆さんに喜んでもらっていることを徹底しろと。

 それ以降もね、そこまで明確に怒られることはないんですけど、若がイヤな顔をされる時はいつもパターンが決まってるんです。

 例えば、みんなでご飯に行って「次長課長」の河本とかに「そのお皿、取って」みたいなことを言うと、若の顔がくもるんです。

 あと、吉本興業の社員さんを呼ぶ時でも、新人さんの若い人に対しても“君”をつけてなかったらすごく嫌がるんです。

 要は、お前のキャラクターはそんなんじゃないやろと。お前はいったい何で皆さんに喜んでもらっているのか。そこだけははき違えたらアカンと。

 そこのズレができたら喜んでもらえなくなる。そこはね、今に至るまで本当に強く教えてもらっていると感じています。

恩返し

 さんまさんとは歳が8つ違うんですけど、向こうは66歳になってもまだまだ元気ですからね。

 この前も吉本興業の110周年のイベント「伝説の一日」で「さんまの駐在さん」をやって、メインとして3時間以上舞台に立ってましたしね。

 だから、僕が若の杖になるとか到底そんなことはできそうにもないので、恩返しをすると言っても本当に難しいんですよね。

 何でも持ってはりますし、全部自分で買えますし、何でも食べに行けますしね。若の車を誰よりもピカピカに磨く。そんなんしか思いつきません。

 ホンマに、僕より圧倒的に元気ですからね。本当なら、順番的に僕が若のお葬式に行くことになるのかもしれませんけど、絶対に若の方が長生きしますから。

 もう、そうなったら僕の葬式も若にしてもらおうと思ってます(笑)。最後の最後まで、とことん面倒見てもらおうと。そして、僕の葬式も、必ず笑いにしてくれはると思いますしね。

(撮影・中西正男)

■ジミー大西(じみーおおにし)

1964年1月1日生まれ。大阪府出身。吉本興業所属。本名・大西秀明。劇場スタッフとして働き、後にぼんちおさむに弟子入り。吉本新喜劇などを経て、明石家さんまの付き人的に芸能界で活動することになり、オンリーワンのボケ芸で注目を集める。「やってる、やってる!」などの人気ギャグも連発する。テレビ番組の企画で絵画の才能を見出され、故岡本太郎氏から「君は画家になりなさい」と手紙をもらったことも大きな後押しになり画家の道を歩むことになる。画業30年記念全国巡回展「POP OUT」を開催。4月27日から5月9日までの東京・銀座三越会場からスタートし、静岡、北海道、愛知、大阪など9都市での開催を予定している。

芸能記者

立命館大学卒業後、デイリースポーツに入社。芸能担当となり、お笑い、宝塚歌劇団などを取材。上方漫才大賞など数々の賞レースで審査員も担当。12年に同社を退社し、KOZOクリエイターズに所属する。読売テレビ・中京テレビ「上沼・高田のクギズケ!」、中京テレビ「キャッチ!」、MBSラジオ「松井愛のすこ~し愛して♡」、ABCラジオ「ウラのウラまで浦川です」などに出演中。「Yahoo!オーサーアワード2019」で特別賞を受賞。また「チャートビート」が発表した「2019年で注目を集めた記事100」で世界8位となる。著書に「なぜ、この芸人は売れ続けるのか?」。

中西正男のここだけの話~直接見たこと聞いたことだけ伝えます~

税込330円/月初月無料投稿頻度:月3回程度(不定期)

1999年にデイリースポーツ入社以来、芸能取材一筋。2019年にはYahoo!などの連載で約120組にインタビューし“直接話を聞くこと”にこだわってきた筆者が「この目で見た」「この耳で聞いた」話だけを綴るコラムです。最新ニュースの裏側から、どこを探しても絶対に読むことができない芸人さん直送の“楽屋ニュース”まで。友達に耳打ちするように「ここだけの話やで…」とお伝えします。粉骨砕身、300円以上の値打ちをお届けします。

※すでに購入済みの方はログインしてください。

※ご購入や初月無料の適用には条件がございます。購入についての注意事項を必ずお読みいただき、同意の上ご購入ください。欧州経済領域(EEA)およびイギリスから購入や閲覧ができませんのでご注意ください。

中西正男の最近の記事