自律神経失調症の「原因」とは?HSPとの関係ついても解説!
こんにちは、精神科医しょうです。
私は普段、精神科での外来を行い、7万人以上インスタやvoicyのフォロワーさんに対しHSP気質に関する発信、書籍の出版を行っています。インスタにも遊びにきてね(外部リンク)
自律神経失調症という名前は、多くの方が耳にしたことがあるかと思います。
自律神経失調症はホルモンの働きや自律神経が乱れることで引き起こされ、頭痛や倦怠感、気分の落ち込みなど心身にさまざまな不調が現れます。
自律神経の乱れは、生活習慣が主な原因に挙げられることが多いですが、過剰なストレスが原因になることもあります。
日常の中で刺激にさらされ、ストレスを溜め込みやすいHSPが自律神経失調症を発症しやすいのか気になる方もいるのではないでしょうか。
この記事では、自律神経失調症の症状や原因、HSPとの関係などについて詳しく説明していきます。
自律神経とは
自律神経とは、私たち人間の生命活動に関わる重要な働きを司っている神経です。
呼吸や消化、鼓動などを自動的にコントロールしてくれる働きを担っています。
交感神経と副交感神経という二つの種類があり、どちらも生きるためには欠かせない重要な神経です。
下記で交感神経と副交感神経の役割について紹介します。
交感神経と副交感神経
自律神経は、交感神経と副交感神経という二つの神経で成り立っています。
交感神経は活動を司る神経と呼ばれ、もう一方の副交感神経はリラックスや休息を取るときに働く神経です。
交感神経の働きは、心臓の鼓動や脈を速める、呼吸や発汗を促進する、消化が抑制されるなどといった役割を担っています。
交感神経が活発に働くことで、外で活動するのに適した状態を作り出すことができます。
人々が野生だった頃は、交感神経が働くことで「狩り」や「外敵から身を守る」といった生命活動において重要な役割がありました。
現代においても、「危険から身を守る」「社会的な活動をする」などといったときに交感神経が活発化します。
一方の副交感神経は、筋肉の緊張を緩め、脈や呼吸を穏やかにしてリラックス状態に導く働きを持っています。
消化や睡眠、細胞の修復などを司り、生命を健全に維持するための状態を作り出してくれます。
副交感神経がしっかり働くからこそ蓄積された疲労がリセットされ、日中に社会活動しやすい身体を保つことができます。
自律神経が乱れるとどうなる?
自律神経は24時間の中で状況に応じて交感神経と副交感神経を切り替え、人間が活動しやすい状態を作ってくれます。
二つの神経がバランスよく支え合っているからこそ、正常な状態を保つことができますが、どちらかが過剰になりすぎるとさまざまな問題が起こり、心身に不調が現れるようになります。
たとえば体温調整がうまくいかず他の人よりも暑さを感じて異常に発汗したり、排泄が思うようにいかず便秘気味になったりなどの症状が現れるようになります。
これらの症状が慢性的に続き、バランスが崩れた状態が長期化すると自律神経失調症になってしまいます。
大抵の場合、交感神経の活動が過剰になりすぎることによって心身が緊張状態になり、体調を崩すことが多いです。
自律神経失調症の症状
自律神経失調症とは、自律神経のバランスが崩れることで心身に不調が現れる状態のことを言います。
自律神経失調症は正式な病名ではありませんが、めまいや頭痛などの体調不良を引き起こし、それらの症状が長期的に続くと別の病気を発症する原因になる可能性があるので軽視するのは危険です。
下記で、自律神経失調症の主な症状について紹介します。
・動悸、胸部の圧迫感、胸痛
・息苦しい、息が詰まる
・吐き気、下痢、便秘
・耳鳴り、めまい、立ちくらみ
・目の疲れ、目の乾燥、眩しさを感じる
・頭痛、頭が重たく感じる
・手足や身体の痺れ、または震え
・多汗、肌のかゆみ
・肩こり、筋肉痛
・胃の不快感、お腹の張り、ガスが溜まる
・食欲不振、不眠、倦怠感、疲労感、ほてり
・落ち込み、不安、イライラ、情緒不安定
・気力低下、集中力低下
上記のように、自律神経失調症の症状はとても広範囲に渡ります。
その人の体質によって、腹痛の症状になりやすい人もいれば、吐き気やめまいなどの症状が出やすい人もいます。
HSPと自律神経失調症の関係
HSPとは「敏感で繊細な人々」を表す言葉であり、心理学者のアーロン博士が提唱した心理的概念です。
HSPの人は、生まれながらに神経が過敏で感受性が強い性質を持っています。
些細な刺激や光、大きな音、においなどに敏感に反応し、時には不安や恐怖を覚えることもあります。
このような特徴を持っているため、HSPは他の人よりもストレスにさらされる機会が多く、生きづらさを抱えている人が多いです。
自律神経失調は、生活習慣の乱れで生じることが多いですが、過剰なストレスによって引き起こされることもあります。
強いストレスを受け続けると交感神経が活発化し、興奮や緊張状態が高まります。
交感神経が過剰に優位な状態が続くと、やがて体調不良や情緒不安定など心身に影響が現れ始めます。
刺激に弱くストレスを受けやすいHSPは、自律神経失調症になる可能性が高いため注意が必要です。
性格は自律神経失調症に関係ある?
HSPのほかにも、元々持っている性格が自律神経の乱れを引き起こしやすくなっている可能性もあります。
神経質な性格や真面目な性格の人、ストレス耐性が弱い人、虚弱体質な人など、ストレスを抱えやすい性格の人は自律神経の乱れに注意しなければなりません。
これらの性格を持っているからといって必ずしも自律神経失調症になるわけではありませんが、性格をきっかけとしてストレスが溜まり、自律神経のバランスを崩す可能性は十分にあります。
日頃から規則正しい生活習慣を送ったり、ストレスを溜めないように発散する手段を見つけておくことはとても重要です。
自律神経失調症の原因
精神的・身体的ストレス
自律神経失調症の原因として、「精神的・身体的ストレス」が挙げられます。
精神的ストレスは、不安や恐怖、過度な緊張、人間関係や家庭内の悩み、経済的な悩みなどさまざまな種類があります。
身体的ストレスは、睡眠不足、怪我や病気などの肉体的な痛み、発熱や胃痛、長時間の労働によるストレスなどがあります。
精神的・身体的にストレスが継続的にかかることによって、交感神経が優位な状態が続き、自律神経の乱れに繋がる恐れがあります。
環境的ストレス
環境的なストレスが自律神経の乱れを引き起こす場合もあります。
冷房がきいた部屋で長い時間過ごす、または室温が高すぎる環境で仕事をするなど、過酷な環境下に長時間いると体調を崩してしまう人も多いのではないでしょうか。
気候の変化のほか、タバコのにおいや騒音などもストレスの原因になります。
これらの環境的ストレスによって、自律神経失調症を発症する恐れがあります。
生活習慣の乱れ
起床や就寝の時間が定まっていない、夜ふかしが多い、食事の時間がバラバラ、夜遅くにご飯を食べる習慣がある、運動不足などさまざまな生活習慣の乱れが自律神経失調症の原因になることがあります。
また、偏った食生活や塩分、糖分、アルコール、カフェインの摂りすぎは胃腸に負担をかけ、自律神経の乱れを引き起こします。
ホルモンバランスの乱れ
女性の場合は、ホルモンバランスの乱れが自律神経に影響を及ぼすことがあります。
月経や更年期に伴うホルモンバランスの乱れによって自律神経の働きが乱れがちになり、体調不良や憂鬱な気分を引き起こします。
更年期障害と自律神経失調症は共通点があり、ほてりや発汗、イライラ、不安感、不眠などの症状が身体に現れます。
まとめ
今回は自律神経失調とHSPの関係、自律神経失調症の原因について説明しました。
自律神経失調症は生活習慣の乱れやストレスによって発症する可能性が高く、HSPの人は過敏性からストレスを溜め込みやすい傾向があるため注意が必要です。
心身に不調を感じている人は、自分の生活習慣について一度見直してみると良いでしょう。
また、自律神経失調症の症状が長く続いている場合、別の病気が隠れているかもしれません。
身体の異変を感じたら、無理をせずに病院を受診して検査するようにしましょう。
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