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子どもとの適切な関わりかたとは?〜子育てで試される親の対応力〜

ピッグママチャイルドコーチングアドバイザー/メンタル心理カウンセラー

はじめまして、ピッグママと申します!

子育てに悩みはつきものですよね。子どもが何歳になっても悩みは尽きず、適切な関わりかたがあれば知りたいというママやパパも多いのではないでしょうか。今回は、チャイルドコーチングアドバイザーの資格を持つ私が、子育てに活かせるコーチング術をご紹介します。こんな考えかたもあるのか〜と頭の片隅にでも記憶していただけたら嬉しいです!

あなたはコーチングという言葉をご存知でしょうか。コーチといえば、競技で選手をサポートしている印象がありますよね。しかし、ほとんどの人が思い描くイメージは、その人が持っている知識や技術を相手に伝え、習得させることではないでしょうか。

コーチングのはじまり

「コーチ」という言葉が登場したのは1950年代。元々は、人やものを目的地まで運ぶ「馬車」を表す言葉でした。(ブランドのロゴもそうですよね!)しかし、そこから「大切な人を望むところまで送り届ける」という意味が加わりました。今日では相手を望むゴールへ導く「競技の指導者」などの意味で使うのが一般的ですよね。

現在、日本で普及しているコーチングのスキルは、アメリカが発祥といわれています。1950年代、アメリカではスポーツ界におけるコーチのように、ビジネス界でも上司が部下のコーチになって、業績を上げられるのではないかという考えかたが生まれました。日本では、2000年頃から企業がコーチングに着目し始め、人材育成のための研修などにコーチングが用いられるようになりました。その後、教育委員会や学校などでもコーチングが採用され始めています。

コーチングとは?

コーチングと聞いて多くの人が想像する、何かを「教える」という行為はコーチングとは正反対のアプローチ方法です。コーチングの原則は「答えはいつも相手の中にある」ということ。相手から夢や目標、効果的な行動ややる気、自発性などを引き出していくことがコーチングなのです。

「教える」という行為では、教える側の能力以上のことを相手に伝えることは難しいでしょう。また、教えた相手がその通りにできるとも限りません。相手の意欲を上手に引き出すことで、抱えている問題を解決したり、目標達成のために必要な方法を自ら導き出せるようにサポートしたりするのがコーチの役目です。

子育てに活かせるコーチングとは?

コーチングを子育てに応用する上で、意識してほしいことが2つあります。

1つは、「答えを教えない」ということ。つい先回りして、答えを教えたくなってしまいますが、答えは子ども自身に出してもらいます。答えが導き出せるように「どうしたらいいと思う?」などと質問をして、コミュニケーションをとるようにしましょう。

もう1つは、「根気強く寄り添う」こと。答えがすぐに見つかるとは限りません。見当違いなことを答えたり、考えること、話すこと自体を拒否したりすることもあるでしょう。子どもが自分の中にある答えに気づき、自発性や可能性を高めていけるように、共感しながら見守ることが大切です。

コーチの心構えとして、最も大事なことはコーチ自身のあり方。

子どもを夢を叶えることができる人として捉えなければ、目標に導くことは難しいでしょう。子どもの可能性を信じることがコーチとしてのあり方であり、コミュニケーションで子どもの本音と行動を引き出すのがコーチの役割です。

まずは自己基盤を整える

相手を肯定的に受け止めることがコーチングスキルの前提ですが、そのためには、あなた自身の自己基盤が整っている必要があります。それは、あなた自身の心身がベストな状態で、自己肯定感が高い状態のことを指します。体調が悪かったり、疲れていたりするときは、前向きな気持ちになりにくいものです。

「自己肯定感が高い=常にポジティブ、自信に満ち溢れている」ということではありません。自分には強みも弱みもある。それらを含めた自分を愛し、自分の可能性を信頼できる状態こそが、自己肯定感が高い状態といえるでしょう。心の余裕がないと、他人に優しく接することは難しいですよね。

自己基盤を整えるには?

自己基盤を整えるにはさまざまな方法がありますが、効果的といわれているのは「自己探求」「アウトプット」です。自己探求とは、自分はどんな状態になると心地よいのか、何に幸せを感じるのか、どうなりたいと思っているのか。何が気がかりなのか、何を恐れているのか。それらを自問自答することです。

それらをアウトプットできるとさらに効果的です。誰かに聞いてもらうことで、新たな気づきが得られるかもしれません。紙に書き出してみるのもよいでしょう。今まではわからなかった自分の考えや、本心に気づくことが大切です。

おわりに

コーチングの基本的なことや、コーチングを子育てに応用する方法、コーチングをする上で大事な自己基盤の整え方などをご紹介しました。ここでお伝えしたことは、コーチングの序盤ではありますが、少しでも興味を持っていただけたら幸いです。子育て中に時間の余裕や、気持ちの余裕を持つことは難しいことかもしれません。ただ、これらのことを意識するとしないでは、大違い!

子どもとたくさん対話し、実践しながら経験を積み重ねていく。子育ては親も成長するいい機会です。むしろ、親のほうが対応力や対話力を試されているのではと、自身も子育てしながら痛感しています。日々試行錯誤しながら、子どもと共に成長していくのが子育てなのかもしれませんね。

参考文献:

『子どもを伸ばす共育コーチング〜子どもの本音と行動を引き出すコミュニケーション術〜』岸英光監修、石川尚子著、拓殖書房新社、2007年

『コーチングのとびら』石川尚子著、Dybooks、2010年

『オランダ流コーチングがブレない「自分軸」を作る』石川尚子著、七つ森書館、2017年

チャイルドコーチングアドバイザー/メンタル心理カウンセラー

一児の母として、コーチングや心理学を子育てに応用する方法などを発信。産後うつや育児ノイローゼを経験し、発想の転換や思考の癖などを理解することで克服。実践しやすい「育児や人間関係の問題」に役立つ物事の捉えかたを一緒に考えていきましょう!

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