Yahoo!ニュース

日銀による国債買入の減額計画、2年掛けて月額5.7兆円から2.9兆円に引き下げる

久保田博幸金融アナリスト
(写真:ロイター/アフロ)

 31日の日銀金融政策決定会合では政策金利を0.25%に引き上げ、国債の月額の買入額を2年かけて3兆円弱に引き下げることを決定した。

 公表文のタイトルは「金融市場調節方針の変更および長期国債買入れの減額計画の決定について」となっていたが、「当面の金融政策の運営について」ではなかったことで、当然ながら金融政策そのものの変更である。

 長期国債買入れの減額計画についてもう少し詳しくみてみたい。

 月間の長期国債の買入れ予定額を、原則として毎四半期4000億円程度ずつ減額し、2026年1~3月に3兆円程度とする。

 もう少し正確には7月現在、月額5.7兆円の買入を四半期毎に4000億円ずつ7回減額することで、2026年1~3月期に月額の買入を2.9兆円まで引き下げることになる。

 さらにこれまで買入額をレンジで示して微調整を可能としていたのを、特定の金額で公表することとした。

7月は下記のような数字となっていた。

1回あたり金額(億円)、回数、合計

1年以下、1,500、1、1,500

1~3、3,750、4、15,000

3~5、4,250、4、17,000

5~10、4,250、4、17,000

10~25、1,500、3、4,500

25年超、750、2、1,500

物価、600、1、600

合計 5兆7100億円

これが8月と9月は下記のようになる。

1年以下、1,500、1、1,500

1~3、3,500、4、14,000

3~5、3,750、4、15,000

5~10、4,000、4、16,000

10~25、1,500、3、4,500

25年超、750、2、1,500

物価、600、1、600

合計 5兆3100億円

これにより、差し引き4000億円の減額となる。

金融アナリスト

フリーの金融アナリスト。1996年に債券市場のホームページの草分けとなった「債券ディーリングルーム」を開設。幸田真音さんのベストセラー小説『日本国債』の登場人物のモデルともなった。日本国債や日銀の金融政策の動向分析などが専門。主な著書として「日本国債先物入門」パンローリング 、「債券の基本とカラクリがよーくわかる本」秀和システム、「債券と国債のしくみがわかる本」技術評論社など多数。

牛さん熊さんの本日の債券

税込1,100円/月初月無料投稿頻度:月20回程度(不定期)

「牛さん熊さんの本日の債券」では毎営業日の朝と引け後に、当日の債券市場を中心とした金融市場の動きを牛さんと熊さんの会話形式にてお伝えします。昼には金融に絡んだコラムも配信します。国債を中心とした債券のこと、日銀の動きなど、市場関係者のみならず、個人投資家の方、金融に関心ある一般の方からも、さらっと読めてしっかりわかるとの評判をいただいております。

※すでに購入済みの方はログインしてください。

※ご購入や初月無料の適用には条件がございます。購入についての注意事項を必ずお読みいただき、同意の上ご購入ください。欧州経済領域(EEA)およびイギリスから購入や閲覧ができませんのでご注意ください。

久保田博幸の最近の記事