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藤井聡太棋聖(19)3連覇まであと1勝! 棋聖戦五番勝負第3局で永瀬拓矢挑戦者(29)を降す

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 7月4日。千葉県木更津市・龍宮城スパホテル三日月において第93期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負第3局▲藤井聡太棋聖(19歳)-△永瀬拓矢挑戦者(29歳)戦がおこなわれました。棋譜は公式ページをご覧ください。

 9時に始まった対局は19時14分に終局。結果は145手で藤井棋聖の勝ちとなりました。

 五番勝負はこれで藤井棋聖の2勝1敗(2千日手)。第4局は愛知県名古屋市「亀岳林 万松寺」でおこなわれます。将棋史上例のないペースで勝ち続ける藤井棋聖。あと1勝で棋聖戦3連覇を達成します。

 両者の対戦成績は藤井9勝、永瀬4勝となりました。

 藤井棋聖の今年度成績は6勝3敗となりました。

【追記】両対局者コメント

藤井聡太棋聖「(戦型は角換わり腰掛銀、50手目ぐらいまで両者ほとんど時間も使わず進んだ)考えていた展開の一つでした。(57手目▲8六同歩で前例から離れ、59手目▲6九飛も早かったが研究手順?)あ、そうですね、はい。(昼休前の73手目▲2二歩もまだ研究範囲内?)そうですね。手が広いところで、そこまで進めてみようかなとは思っていました。ちょっと難しいのかなと思っていました」

永瀬拓矢挑戦者「手前(72手目)の△8四金が感触のわるい手なので、なんかいやな感じもしたんですけど、▲2二歩打たれて指し手が難しいんだなと思いました」

藤井棋聖「(午後に入って74手目)△3三桂に対してちょっと、どういう組み合わせがいいのかわからなくて。本譜はなんかあまり、よくない順を選んでしまったかなと思って進めていました。(そこで攻守が変わった?)ただやはりこちらは玉形は常に(相手の)8六の歩が残ったままなので、ちょっとそれほど成算のない指し方になってしまっているかなと思ってました。(全体を振り返って)途中あんまり自信のない局面もあったんですけど。なんか最後、玉を上に逃げていって、少し余せる形になったのかなと思います」

永瀬挑戦者「▲2二歩に対しての対応が、△3三桂だとなんかバランスを崩してるような気もしたので。ただ、なんか他の手が成算が持てないというか、見通しが立たなかったので。うーん、そうですね。こちらとしては手が難しいのかなと思いながら指していました」

藤井棋聖「(次局に向けての意気込みは?)あまりスコアは意識せずに、しっかり準備して臨めればと思います」

永瀬挑戦者「次局までに少しでも棋力をあげて、いい勝負の内容の将棋を指せればなと思います」

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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