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B級1組昇級は澤田真吾七段(30)中村太地七段(33)丸山忠久九段(51)B級2組全日程終了

松本博文将棋ライター

 3月1日、東京・将棋会館、大阪・関西将棋会館において、第80期順位戦B級2組最終11回戦がおこなわれました。すでに昇級を決めている中村太地七段、澤田真吾七段に次いで、3人目の昇級者が誰となるかが注目されました。

 ▲鈴木大介九段-△中村太地七段は鈴木九段の四間飛車に対して中村七段は居飛車穴熊。逆転昇級の可能性がある鈴木九段は、震えることなく早いペースで指し進めていきます。前例のある進行ながら、午前中には互いの大駒が成り合う激しい展開となりました。

 午後に入っても、両者ともに妥協のなく踏み込んで最終盤の戦いに。68手目、中村七段は玉そばの端の歩を突きます。これが一手勝ちを見きった正確な決め手となりました。16時52分、鈴木九段が投了。この結果、中村七段は9勝1敗、鈴木九段は7勝3敗となり、鈴木九段の競争相手である丸山忠久九段の昇級が決まりました。

 ▲丸山九段-△中田宏樹八段戦は角換わり。丸山九段が中盤でリードを奪って押し切り、22時45分、95手で中田八段が投了。丸山九段は8勝2敗となり、3着でB級1組復帰を決めました。

 ▲行方尚史九段-△澤田真吾七段戦は矢倉に対して現代流の雁木。澤田七段が終盤の寄せ合いを制して、22時1分、84手で勝ちました。澤田七段は中村七段と同成績の9勝1敗となり、順位の差で澤田七段が1着、中村七段が2着での通過となりました。

 降級点がついたのは窪田義行七段、中田宏樹八段、藤井猛九段、中村修九段、飯塚祐紀七段、中川大輔八段の6人。窪田七段と飯塚七段は2回目の降級点で、C級1組降級となりました。

 来期B級1組のメンバーは、3月9日のB級1組最終戦が終わると確定します。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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