日本版DBS 施行まで約2年、細かい部分は「これから」 #専門家のまとめ
日本版DBS法が6月19日に成立してから約1カ月が経過しました。これは子どものいる現場で働く人の正犯罪歴を確認するための制度です。教育や保育現場などでの子どもの性被害が相次いで発覚したことがきっかけですが、遅すぎたという声もあります。一方、職業選択の自由から導入を懸念する声もありました。
2026年度を目処とされる施行までに細かい部分がどう決定されるのか、見守る必要があります。
ココがポイント
▼6月19日成立。事業者向けのガイドライン策定など、2年以内に運用を始めるための環境整備を急ぐ。
・「日本版DBS」法が成立 性犯罪歴を確認へ (2024年6月19日/NHK WEB)
▼働く人の性犯罪歴確認を学校や保育所は義務付けられる一方、学習塾や放課後児童クラブは任意に。
・「日本版DBS」法成立、性犯罪歴を最長20年確認可能に…2026年度をめどに施行(2024年6月19日/読売新聞)
▼照会できる性犯罪歴に制限、性犯罪歴を照会できる期間は10〜20年など課題も。
・「日本版DBS」法がついに成立!さらに乗り越えるべき3つの課題(2024年6月19日/フローレンス)
▼照会に時間がかかかる間に、人材が他業種に流れることへの懸念も。
・子どもの性被害防ぐ「日本版DBS」導入決まる…でも課題山積み 犯歴確認に時間がかかると人材確保が難しく(2024年7月15日/東京新聞)
エキスパートの補足・見解
実際の運用までに2〜3年あり、細かい部分はこれから詰めていくという点がポイントだと思います。成立を目指した人たちはこれまでアクションを続けてきましたが、確認対象の範囲や、加害行為のおそれを把握するために講じる具体的な措置などについて、今後も活発な議論が必要です。子どもの安全を考える上で大切な法案なので、法案成立に安心せず、今後も関心を持って運用までの決定を注視したいと思います。