新型コロナウイルスのワクチン未接種は、トレードに影響を及ぼすのか
7月14日、カンザスシティ・ロイヤルズは、10人の選手を制限リストに入れた。
この日から17日まで、ロイヤルズは、アウェーでトロント・ブルージェイズと4試合を行う。他の29チームと違い、ブルージェイズはカナダに本拠地を構える。新型コロナウイルスのワクチンを接種していないと、カナダには入国できない。
ワクチンを接種するかしないかは、それぞれの判断なので、とやかく言うことではないと思う。
ただ、トレードに影響を及ぼす可能性はある。
例えば、制限リスト入りした10人のなかには、外野手のアンドルー・ベニンテンディがいる。ロイヤルズの勝率は.400に届かず、ベニンテンディは今オフにFAとなる。この夏、ロイヤルズがベニンテンディをトレードで放出し、見返りを得ようとすることは、まず間違いない。
欲しがる球団も、少なくないはずだ。ここまでのホームランは3本ながら、ベニンテンディは打率.317と出塁率.386を記録している。ホームラン以外の長打は、二塁打14本と三塁打2本だ。レフトの守備もうまく、昨シーズンはゴールドグラブを受賞した。ボストン・レッドソックス時代には、センターを守ったこともある。
MLBネットワークのジョン・モロシは、6月下旬のツイートで、ベニンテンディに興味を抱いている球団の一つとして、ブルージェイズを挙げていた。今月上旬には、ニューヨーク・ポストのダン・マーティンとジョン・ヘイマンが、ニューヨーク・ヤンキースはベニンテンディもしくは他の外野手の獲得を検討中、と報じている。
今後も、ベニンテンディがワクチンを接種しないのであれば、ブルージェイズ移籍は消滅する。ヤンキースなど他の球団も、獲得を躊躇するかもしれない。
ここから、ヤンキースがアウェーでブルージェイズと対戦するのは、9月26日~28日の3試合だけだ。けれども、ポストシーズンで再び顔を合わせることもあり得る。7月13日を終え、ヤンキースの勝率は両リーグで最も高く、ブルージェイズはシアトル・マリナーズと並び、ワイルドカードの3番手に位置している。