望月vs世那、竹安プロ初登板、小豆畑ゲーム復帰《6/17 阪神ファーム》
きのう17日、阪神ファームは舞洲ベースボールスタジアムでオリックスと戦い、2対2のスコアで延長戦に突入して引き分けました。きょう18日は豊中ローズ球場場所を移してのオリックス戦で、秋山投手が先発して7回 (ちょうど100球!) を投げ、6安打2失点。ボグセビックに2ランを浴びたようですが、こちらは上本選手の5号3ラン、横田選手の3号2ランなどもあり、7対2で勝っています。
阪神打線は10安打で、そのうち本塁打は2、三塁打1(江越)、二塁打4(へイグ、緒方、鶴岡、江越)と、長打が7本!すごいですねえ。秋山投手は6勝目となりました。でも甲子園の1軍は、1対0でソフトバンクに負けたんですね。確かにチームで2安打じゃ…と思ったら、こちらが許したヒットも4本だけ?あらまあ。
残念ながら、きょうは別件の取材でファームも1軍も観に行けなかったので、いまさらですが…きのう17日のウエスタン・オリックス戦の結果を書かせていただきます。きのうは阪神・望月惇志投手(18)とオリックス・佐藤世那投手(19)のルーキーが先発で、互いに1失点ずつ。ついで阪神はドラフト3位ルーキーの竹安大知投手が、プロに入って初めての実戦登板を果たしました。
《ウエスタン公式戦》6月17日
オリックス-阪神 13回戦 (舞洲)
阪神 000 010 100 0= 2
オリ 100 001 000 0= 2
※延長10回引き分け
◆バッテリー
【阪神】望月-竹安-山本-鶴-福原-筒井 / 坂本-小豆畑(10回裏)
【オリ】佐藤世(6回)-近藤一(1回)-佐藤峻(1回)-塚田(1回)-高木(1回) / 伊藤
◆本塁打 園部4号ソロ(望月)
◆二塁打 ブランコ、杉本、ペレス
◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策) 打率
1]二中:上本 (4-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .317
〃二:森越 (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .182
2]右二右:板山 (4-0-0 / 2-0 / 0 / 0) .234
3]指:ペレス (4-1-0 / 1-0 / 0 / 0) .325
4]中右中:横田 (3-0-0 / 0-1 / 0 / 0) .307
5]三:陽川 (4-2-1 / 1-0 / 0 / 0) .366
6]左:緒方 (4-2-0 / 0-0 / 0 / 0) .242
7]一:西田 (4-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .175
8]捕:坂本 (3-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .167
〃打:柴田 (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .231
〃捕:小豆畑 (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .100
9]遊:植田 (3-0-0 / 1-0 / 0 / 1) .082
◆投手 (安-振-球/失-自/防御率) 最速キロ
望月 5回 84球 (5-2-4 / 1-1 / 1.32) 150
竹安 1回 12球 (1-0-0 / 1-0 / 0.00) 138
山本 0.2回 16球 (0-2-0 / 0-0 / 1.86) 141
鶴 1.1回 11球 (0-1-0 / 0-0 / 1.13) 143
福原 1回 10球 (0-1-0 / 0-0 / 5.02) 144
筒井 1回 18球 (0-2-1 / 0-0 / 3.20) 144
試合経過
まずは同い年ルーキーの立ち上がりに注目。オリックスの佐藤世は1回、板山とペレスから連続で見逃し三振を奪い三者凡退。阪神・望月も、ボグセビックと鈴木昂から連続奪三振と負けてはいません。しかし3番の園部にレフトへホームラン!先に1点を失います。続くブランコに左中間二塁打、武田に右前打を許し2死一、三塁とするも、大城は一ゴロ。西田がしっかり捕って最少失点で終えました。
2回は1死から陽川が左前打しますが緒方は遊ゴロ併殺打、3回と4回は三者凡退と、佐藤世に抑えられた打線。5回も2死となったあと、緒方がチーム2安打目の中前打で出て、次の西田は左飛。と思ったらレフトの杉本が落しています。このエラーで緒方は生還!ようやく追いつきました。このとき二塁へ進んだ西田がボークで三塁へ行ったものの、勝ち越し点は奪えず。
一方、望月は2回が三者凡退。3回は2四球で走者を出しながらも無失点。4回はまた2四球と1安打などで1死満塁のピンチを、遊ゴロ併殺打で切り抜け、5回も1死から園部に右前打されましたが、ブランコを遊ゴロ併殺打に。ここまで投げて交代です。なお佐藤世は6回も投げ、三者凡退。2安打5三振無四球で1失点(自責)でした。
6回裏、阪神は2人目の竹安が登板。先頭の武田を遊ゴロエラーで出し、大城のバントで二塁封殺。しかし大城の二盗を許したあと杉本にレフトへタイムリー二塁打…。次の伊藤は一直で二塁に送って併殺!自責点はありませんが、失点1というプロデビューとなっています。そのうえ初黒星?と思ったところで打線が反撃。
7回、近藤一に対して先頭のペレスが右中間へ二塁打を放ち、横田の一ゴロで1死三塁。5番・陽川が左前へ同点タイムリー!竹安の負けは消えました。さらに緒方の右前打で陽川は三塁へ進み、勝ち越しのチャンスを迎えるも、後続を断たれて同点止まりです。
その後、ともに無得点で延長戦に入った両チーム。阪神打線は8回に横田の死球があっただけ(ここも次の陽川が併殺打)で、10回までキッチリ3人ずつで終了。また投手陣も7回が山本が2人、鶴が1人を三振に切って取り、鶴は8回も三者凡退。9回は福原が三者凡退。10回の筒井が2死から1四球はあったものの、最後は園部を見逃し三振に仕留め、規定により延長10回で引き分けました。
初回に浴びた1発を悔やむ望月
最初に望月投手のコメントをご紹介しましょう。今月8日のオリックス戦(鳴尾浜)で公式戦初先発をして、これが2度目です。前回は5回3安打3三振1四球で無失点。球数は77球、最速が151キロでした。今回は上記の個人成績をご覧ください。質問はまず、前回と比べてどうかと言うところから。
「立ち上がりというか、全体的にストレートが高かった。でも試合の中で修正して、低めに投げていくことができた。また、リリースの位置が悪かったので、“前に”という意識でやりました」。リリースポイントを前に?「はい。それで低くなっていったので、次は最初からやっていきたいです。でも(マウンドによって違う)傾斜がありますし、難しいですね。特にリリースポイントに気をつけていきたいと思います」
園部選手に打たれたホームランは「ボール球を要求されたけど、ストライクにいってしまったスライダー」だそうです。結構、低めのいい球だったでしょう?うまく打たれた感じかな。「そこまで高くないと思ったけど、もう少し低くいかないといけないですね。今後は、真っすぐで高く投げないように。精度を上げていきたい」。ちなみに同い年のルーキーと投げ合うことは別に意識しなかったと言っています。
掛布監督は「この前と一緒くらいじゃない?いや、ちょっと悪かったかな。ボールも高いし。ホームランでリズムを崩したかもね。でも、これからだがら」とのこと。
久保投手コーチは「外連味(けれんみ)がないね。躍動感はあるけど、気負っていないでしょう?流れのまま強く、リリースまで持っていける」と、まず褒め言葉でした。そして「あとは変化球。着地とリリースのタイミングが合っていない。変化球の制球が悪くなるのは、そのせい。変化球を操れるようなテイクバック、リリースじゃない。それが一定してくると、厄介なピッチャーになっていきますよ」と期待も大きいようです。
もう少し説明していただいています。「ボールの重さを感じられていないので、コントロールしにくいんですよ。たとえばピンポン玉を投げる時って、思ったところに行かないでしょう?重さがあると投げやすい。つまり指にかかるってのは重さを感じていること。コントロールできてスピンもかかる」。大変よくわかりました!
「どんどん投げて、反省していきたい」
次に、これがプロデビューとなった竹安投手です。2014年12月に右ヒジの手術を受けており、その完治と強化、再発防止のためにじっくりと時間をかけてきました。昨年9月に社会人日本選手権の九州地区2次予選で1イニング投げていますが、プロ入り後は今回が正真正銘の初登板!5月末からフリーバッティングで2度、シートバッティングで2度投げての実戦マウンドとなっています。
フリーバッティングで初めて投げた時の話は、こちらからご覧ください。<“遅れてきた”ルーキー ドラフト3位・竹安大知投手のプロ第一歩>
きのうのオリックス戦は、望月投手のあと6回に登板して、いきなり味方のエラーがあり1死後にタイムリー二塁打。自責点はないので防御率は0.00です。初登板を終えて「投げられたことが前進というのもあり、反省もあり、ですね。反省は、すべてですが…。打たれたのはフォークです。最低でもフォアボールでいいと思えば(結果は)違ったのかも」という感想。試合に慣れ、心の余裕が出てくれば違ってくるでしょう。
ここまでは想定より早かった?遅かった?「入団の時には、この1ヶ月前くらいに投げられるはずだったので、思ったより遅かったですね。でも、だいぶトレーニングもしてきて、同じところのケガはないと思います」。ちなみに体重は入寮時に比べて4キロ増の85キロくらいだとか。しっかりと身についています。今後について「チャンスをもらえれば投げていきたい。投げていかないと反省もできないですからね」と竹安投手。
掛布監督は「第一歩だよね。実戦に投げられた、それで十分。あれはスライダー?フォーク?いい経験したよね。キレやスピードもこれからもっとよくなる」と期待を込め、久保コーチも「とにかくプロで、2軍とはいえスタートラインに立った。さあこれから!ですよね。やっぱりゲームでマウンドに上がって、こなしていかないと強さは出ない。繰り返さないと。今はまだ“あたたかい鉄”。鋼(はがね)になるには、熱して、叩いて、冷ましての繰り返しが必要」と例えでいます。
小豆畑が復帰、10回裏にマスク
ファンの皆さま、お待たせしました!小豆畑選手が復帰です。4月28日に右手第5中手骨を骨折し、戦列を離れていたのですが、きのう17日に「きょうが初です」と笑顔いっぱいのベンチ入り。即ゲーム復帰となりました。(先月末に聞いた話は、上記の竹安投手と同じ記事で書いています)
出番は延長10回、坂本選手のところに代打・柴田選手が出て、その裏の守備で筒井投手の球を受けました。「ああいう展開で出してもらって、有難いです。守れるキャッチャーになりたい。ああいうとこで1イニング任せられるキャッチャーでありたいので。とりあえず復帰できてよかった!帰ってきました~」とニコニコ。ここから少しずつですね。
センター・上本は今後もあり
次に、6回の守備から9回までセンターを守った上本選手の話です。守備機会は9回裏1死で杉本選手のセンターフライに対し、走っていって無難にキャッチ。この1回のみでした。上本選手は「まだまだわからないです。これからです」と言い、由宇では江越選手のグラブで練習をしていたそうですが「きょうは自分のです。たまたま持っていたので」とのこと。
この件について掛布監督は「由宇であれだけのバッティングをしてくれたんでね。2つ守れれば幅が広がるから。センターは1軍からの支持じゃないんだよ。金本監督に、やらせてもいいですか?と聞いたら、秋季キャンプでもやっているので任せますって。失敗しても、いろいろやらせますよ。スタメンから、とかでも」と話しました。
「責任は僕が取る!」と坂本
スタメンマスクをかぶって、ルーキー2投手の球も受けた坂本選手。竹安投手は緊張していたかと尋ねたら「全然!いつも通りでしたよ。逆に僕の方がいろいろ考えて…迷惑をかけてしまった。初登板なのに失点させてしまったのが申し訳なくて」と反省しきりです。自責点でないので、まだよかったでしょう?「いや~でも」。それでも反省。
ちょうど荷物を積み終わった竹安投手と望月投手を見ながら「若いピッチャー2人ですからね」という坂本選手もルーキー。十分に若いですよ。「でも2人とも僕より年下だから。責任は僕が取るので!」。それを聞いた望月投手は「いえいえ、僕の責任です」と恐縮しつつバスに乗りました。それにしても坂本選手の心意気、オトコマエですね。
悔しさは何よりのバネになる
最後は陽川選手です。チーム5安打の内訳は、緒方選手と小豆畑選手が2本ずつ、ペレス選手が1安打。佐藤世投手とは初めてだったそうで「腕が遅れてくるから、ちょっとタイミング取りづらかったですね」と言います。7回には近藤一投手から貴重な同点タイムリー。調子はどうかと聞いたところ「調子いいとか悪いとかはないですね。結果を出すのみなので」という返事。
最初に昇格してファームに戻ってきた時より、今回の2度目の方が悔しい?「そりゃもう悔しいです。かなり悔しい」。いつもの穏やかな受け答えと違って、声に力がこもっていました。こういう1軍との行き来を繰り返しながら、やがて1軍にいる時間が長くなっていくんですよね。だから今の悔しさを、何かで紛らわせることなく直視してください。あすの自分のために。