【川崎市中原区】歴史の道探訪 中原街道コースを歩く(4)劇場もあった明治の頃の小杉の中心地
中原区内を全部歩いて記事を書く、オリテアガルです。
川崎市中原区のホームページに「歴史と緑の散策マップ」として、いくつかのコースが掲載されています。その中に「歴史の道探訪 中原街道コース」があり、そのとおりに歩いてみたの4回めです。このコースは、JR武蔵中原駅と東急新丸子駅の間を結ぶ全長4.2kmの散策コースです。
3回めまでは新丸子駅から中原街道のカギの道まででした。今回は、明治の頃の小杉の中心地、小杉十字路付近を歩いています。
11)つけぎ屋の供養塔
前回のカギの道からすぐ、角にあるコインランドリーの斜め前あたりに「つけぎ屋の供養塔」があります。現在は、供養塔の背後の敷地は工事中で、供養塔だけが電柱と工事の塀にはさまって建っています。供養塔の斜め前は電柱で、位置がちょっと寂しいことになっていますね。工事中のところが、以前「つけぎや商店」があったところです。
つけぎは、江戸時代に火をおこす時に使われたもので、「小さな木の棒状の先に硫黄などを塗ったもの」。マッチに近いのではないでしょうか。
「歴史と緑の散策マップ」には「つけぎ屋の供養塔」と出ていますが、道端に建っているガイドでは「小杉駅と供養塔」となっています。ガイドパネルにも小杉が宿駅に指定された説明が書かれています。
12)油屋の庚申塔
つけぎ屋の供養塔を過ぎ、中原街道をしばらく進みます。
左側に「油屋の庚申塔」が建っています。さきほどは、つけぎ屋で今度は油屋。
川崎市文化情報によれば、油屋という屋号の家があったことからそう呼ばれたようです。資料をいろいろ見ていた中に、明治時代の地図があり、中原街道のカギの道から、小杉十字路までは、つけぎや・油屋のほか、わらじや、とこや、さかなやなどお店がずらっと書かれていました。ずいぶんと賑やかな通りだったのですね。
お花もお水もお供えされていますね。この先、中原街道沿いには石像群があるのですが、いずれもお花などがお供えされています。
ガイドパネルには、道標を兼ね、東江戸道、西大山道、南大師道と彫られていて、昔はここから大師へ向かったとあります。大山は遠いですが、ここから川崎大師なら、私も歩いて行く範囲内です。
13)小杉十字路
油屋の庚申塔を過ぎて、中原街道をさらに進むと、小杉十字路の交差点に差しかかります。中原街道と府中街道の交差点です。
小杉御殿などは江戸時代の初期の頃のものですが、小杉十字路は時代が降って明治の時にできたものです。明治30年と資料にあったので、大日本帝国憲法の発布が明治22年ですからその8年後です。
現在では明治の頃を思い起こすようなものは何もなく、一般的な交差点なのですが、ガイドパネルもちゃんと建っています。乗合馬車の停留所や料理屋、劇場、郵便局などなど、賑わう様子が書かれています。劇場まであったとはすごいですね。
今の小杉十字路からは想像できません。タイムスリップできるなら、明治の頃の様子を見てみたいものです。
14)二ヶ領用水
小杉十字路を過ぎて少し歩くと二ヶ領用水が中原街道を横切っています。交差する地点には「二ヶ領用水と神地橋」のガイドが建っています。
「歴史の道探訪 中原街道コース」の歩き方(4)
11)カギの道からつけぎ屋の供養塔 徒歩1分 地図でつけぎ屋の供養塔の場所を見る
ウォーキングの歩数 片道約129歩
12)つけぎ屋の供養塔から油屋の庚申塔 徒歩3分 地図で油屋の庚申塔の場所を見る
ウォーキングの歩数 片道約314歩
13)油屋の庚申塔から小杉十字路 徒歩2分 地図で小杉十字路の場所を見る
ウォーキングの歩数 片道約157歩
14)小杉十字路から二ヶ領用水と神地橋 徒歩1分 地図で神地橋の場所を見る
(歩数は歩幅70cm換算)