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羽生善治九段、渡辺明九段、広瀬章人九段が登場! 10月30日、叡王戦・段位別予選九段戦

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 10月30日。東京・将棋会館において第10期叡王戦・段位別予選九段戦C組の対局がおこなわれます。持ち時間は各1時間(チェスクロック使用)。対戦カードは以下の通りです。

【1回戦】10時~

渡辺 明九段(40歳)-広瀬章人九段(37歳)

【2回戦】14時~

羽生善治九段(54歳)-1回戦勝者


藤井聡太前叡王、再度の八冠ロードなるか?


 現在、本棋戦のタイトルを保持しているのは、伊藤匠叡王(22歳)です。伊藤現叡王は今年度の五番勝負で藤井聡太前叡王(当時八冠、現在22歳)を3勝2敗で降して栄冠をつかみました。


 今期叡王戦では、誰が伊藤叡王に挑戦するのか。八冠復帰の期待もかかる藤井現七冠は、本戦トーナメント(ベスト16)から登場します。


 通算勝率8割3分台を誇る藤井七冠。伊藤現叡王にタイトルを明け渡して以後は他棋戦で着々と防衛を重ね、再度の八冠ロードへの道を歩んでいます。叡王戦の本戦トーナメントが始まる頃には「全冠再制覇なるか?」と、再度の八冠フィーバーが巻き起こるかもしれません。

 1度負けたら終わりのノックアウトトーナメントで、藤井七冠と対戦するのはどのような顔ぶれとなるのか。現在は段位別予選が進行中です。


スター揃いの九段戦


 スター棋士が目白押しの九段戦では、必然的に豪華なカードが多く現れます。


 渡辺九段は今年度、王位戦七番勝負に登場。藤井王位に1勝4敗で敗れてタイトル奪取はなりませんでした。しかしこれで、かつての七大タイトル戦、すべての番勝負への登場を達成しました。

 叡王戦が加わった現行の八大タイトル戦で、8つすべての番勝負に登場しているのは藤井七冠だけです。


 渡辺九段、そして羽生九段はもし今期挑戦権を獲得すれば、藤井七冠に次いで、2人目の全タイトル戦番勝負登場者となります。しかしそのどちらかが、予選の段階で敗退することになります。

 渡辺九段と広瀬九段は過去に37回戦い、渡辺22勝、広瀬15勝。直近では昨年度のA級最終9回戦で対戦し、渡辺九段が勝っています。

 2回戦で待ち受ける羽生九段。過去の対戦成績は、渡辺九段とは44勝39敗、広瀬九段とは24勝16敗です。


ハードスケジュールの羽生九段

 羽生九段は10月25日におこなわれた王将戦リーグの対戦で、広瀬九段に勝っています。


 羽生九段は30日に叡王戦九段戦2回戦を戦ったあと、翌31日には王将戦リーグで近藤誠也七段と対戦というハードスケジュールです。


将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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