定番なのに実は意外な組み合わせ。「土用餅」のこし餡とずんだ餡は、滋養強壮と共に旬を楽しむ取り合わせ
一口でぺろりといけそうな気も…2023年夏の土用の丑の日である7月30日。皆さんは「う」のつく食べ物を召し上がりましたか?鰻、牛肉、梅干し、うどん…和菓子の世界には「土用餅」という習慣があるのですが、実は、販売期間はお店によってまちまちというのはご存知でしょうか?
鰻に関して言えば、土用の丑の日当日(もしくは最も近接した週末)にスーパーや百貨店でも特設会場が組まれ、飲食店は長蛇の列という光景を目の当たりにしますよね。
なのですが、実は土用餅を食べる習慣は土用の入り初日。
土用餅というからには土用の丑の日当日ではないの?!
え!食べ忘れちゃった!!
という方も、どうぞご安心ください。じつは最も多く土用餅をいただくのは土用の入り初日。これは季節の変わり目でもある土用の間、栄養価の高いお餅と邪気を祓うとも言われる小豆の餡子を食べて乗り切ろうという江戸時代からの食文化を汲んでおり、そのため土用の初日前後に販売する和菓子屋さんが最も多いということです。
なのですが、土用の丑の日前後に販売するお店もあれば、土用の期間中販売なさっているところもあるので大丈夫。今回は、あんころ餅はあんころ餅でも、ちょっと珍しいずんだ餡との組み合わせの大角玉屋さんの「土用餅」をご紹介。
じゅわっとジューシーなこし餡と、ぽてっとまろやかなずんだ餡のおいしいとこどりな組み合わせ!何とも嬉しいではありませんか!土用餅といいますと、一般的にはこし餡と粒餡、もしくはどちらか片方のみ(お店によっては抹茶餡や白餡なんかも店頭に並びます)というところが多く見受けられるのですが、大角玉屋さんの土用餅は小豆と枝豆。こちらの組み合わせ、土用餅としては普段なかなか出会うことのない組み合わせなんです。
確かに暑気払いや滋養強壮といった意味では小豆の餡子を取り入れることが多いのですが、更にそこに加えるのが季節の色彩。
ただ甘いだけではなく、小豆の粒子をも感じられる瑞々しさととろりとしたお餅、そしてずんだ餡の素朴で粒感が残る芳醇な旨味と香りが上手く活かされた味わい。
もし身の回りの和菓子屋さんで土用餅を発見したら、ぜひ土用の期間中にあちこち食べ比べてみてはいかがでしょうか?
来年の候補が見つかるかもしれませんよ。