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勝率1位は伊藤匠四段か? 藤井聡太竜王か? それとも? 2021年度記録ランキング、残り1か月!

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 将棋界の2021年度も、残すところあと1か月となりました。

 本年度ここまで、もっとも活躍した棋士は藤井聡太竜王(19歳)。史上最年少五冠を達成し、2020年度に続いての最優秀棋士賞受賞は確実でしょう。

 藤井竜王の今年度成績は51勝12敗(勝率0.810)です。

 藤井竜王は3月9日、B級1組最終戦で佐々木勇気七段と対戦します。A級昇級なるかどうかで、こちらも大注目の一戦です。

 藤井竜王は記録4部門のうち、対局数、勝数、連勝(前年度からの持ち越しで19連勝)の3部門での1位はほぼ確実。残る勝率については、規定対局数(年間30局)に達している棋士の中では、現在2位です。

 勝率部門で1位に立っているのは、フルシーズン参戦1年目の現役最年少棋士、伊藤匠四段(19歳)。本年度成績は41勝9敗(勝率0.820)です。

 伊藤四段は王位戦リーグ初戦で佐々木大地六段に勝利。藤井王位への挑戦権獲得の可能性もあります。

 服部慎一郎四段(22歳)は39勝10敗(勝率0.796)。あと1勝で勝率8割です。叡王戦本戦ではベスト8に進出し、あと3勝で藤井叡王への挑戦権を獲得できます。

 西田拓也五段は26勝7敗(勝率0.788)で、あと2勝すると勝率8割。今年度は複数の8割達成者が現れる可能性があります。

 年間勝率8割台は大変な快挙で、過去にもそれほど例がありません。2回以上達成している棋士は藤井竜王(4回)、羽生善治九段(3回)、中原誠16世名人(2回)とわずかに3人だけです。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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