【直撃取材】セクシーな初写真集が話題のアン・シネ、日本ツアーに賭ける本当の意気込みと現在地
――今季初戦となった4月のKKT杯バンテリンレディスから、今週開催のリゾートトラストレディスで今季4試合目となります。ここまでを振り返ってみて、どうですか?
日本では本当に楽しく試合をしています。ただ、ほけんの窓口レディースでも予選落ちして、悔しい思いをしていましたが、先週の中京テレビ・ブリヂストンレディスでは今年初めて予選を通過してホッとしています。ショットやパターの調子も良くなってきていますし、今週もまずは予選通過して上位に入っていきたいです。
――初戦はかなり緊張していたようですが、去年のフィーバーぶりを思い出したりしましたか?
もちろん緊張しましたよ(笑)。練習ラウンドしながら、まだあまり慣れていない日本のコースの難しさも改めて感じましたし、スコアをまとめるのは簡単ではないなという印象はありました。今はもう実戦感覚も戻ってきましたが、結果を出したいという強い気持ちがあったり、初めてコースでプレーするときは、どうしても緊張せざるを得ません。
――久しぶりの日本のファンの反応を受けて、何か感じることはありましたか?
私に対して関心を持ってくれることはとても幸せなことです。でも一方で当然、プレッシャーもあります。「派手なウェアを着ているだけではゴルフはできない」とか、そういう心痛い声があることも知っています。私はプロゴルファーなので、だからこそ結果が大事なのはよく分かっています。それにファンは、選手がいいパフォーマンスをすることを望んでいます。試合でいいプレーができれば私もファンもうれしいですし、それができなかったとき、私はファンのためにできることを考えます。それは例えば、一人ひとりの顔を見ながらサインをして満足して帰ってもらったりと、そういう努力をしていこうと考えています。私が日本にいる間は、色んなところでベストを尽くすことが重要だと思っています。
――そういえば、初戦の試合が終わって報道陣の囲み取材中にお酒に酔った方が現れて驚かれたみたいですね。
はは(笑)。元々、私が記者の方たちの取材対応しているときは、途中から話に入ってこられる方たちもいるので、その酔った方も最初は記者の一人かなと思っていたんです。私のほうを見ながら、真剣に話を聞いているので(笑)。すべての質問が終わったあとに、その方が日本語で何か言ってきたんですが、それを協会のスタッフが途中で切ってもめながらクラブハウスを出て行ったんです。あれ? なんでもめてるのかな?と思ったら、通訳の方が、「あれは酔っぱらいのおじさんだった」と教えてくれて驚きました(笑)。これも楽しい思い出の一つです。
「プレーとウェアで楽しんで」
――こうしたハプニングが起こったことがニュースになることからも、関心の高さがうかがえます。
あまりいい成績を残せていない私に対して、関心を持ってくれる方がいることは感謝しきれないくらいありがたいことです。成績で還元したいという気持ちが常にありますし、結果を残せていないとやはり落ち込みますし、胸が痛みます。だからこそ、もっとがんばろうとか、自分に厳しくやっていこうという責任感もあります。
――今年も変わらずファッションなどの外見に注目が集まっています。毎試合、明日のウェアについて聞かれて、ちゃんと答えています。
日本に来た私にとって、こうした定番の質問が用意されるようになったのはとてもありがたいことです。“わさび色”“情熱的な赤”などいろんな答えを用意しているのですが、記者の方たちもきっと楽しんでくれていると思います(笑)。日本の試合でウェアのテーマを考えて、試合に挑める楽しみができたのはとてもありがたいこと。プレーや外見で見せることもプロとして大事なことだと思っています。ので、それでギャラリーの方たちが楽しんでもらえたらうれしいです。
――話題の写真集も今月23日に発売になりましたね。
どのような反響になるか、とても楽しみです。この先、年を重ねれば写真集撮影のオファーなんて来ないかもしれない。そう考えると本当に貴重な経験でした。いつか私にも家族ができるかもしれません。そのときは自慢の母としていられるように「こんな写真集も撮ったのよ」と言えるような思い出の一つになればいいなと思っていました。写真集は想像していたよりもすごくいい写真がたくさん掲載されています。カメラマンの野村誠一先生がとてもきれいに撮ってくれて、自分でもとても期待しています。あ、日本ではAKB48や乃木坂46の写真集がすごく売れていると聞きました(笑)
1ヤード伸びることの重要性
――オフはオーストラリアのゴールドコーストで約2カ月、トレーニングと練習に励んだと聞きましたが、これから成果を出せそうですか?
ゴールドコーストでは基本的にゴルフ中心の生活を過ごしていました。朝からトレーニングをしたり、午後はラウンドでショートゲームを中心に球を打ったり。ただ、毎日ゴルフだけだと疲れるので、街に出ておいしものを食べたり、海岸を歩いたりしてリフレッシュしました。一方で、オーストラリアは外食するとお金がかかるので、経費を節約するために自炊もたくさんしました。料理するのも好きなんですよ。
――食事にもかなり気を付けているのでしょうか?
去年はあまり健康的に過ごせなかったんです。というのも、疲労が蓄積されて、それをしっかり抜くことができなかった。ルーティーンをおろそかにしていたんですね。今年はルーティーンを守り、同じ時間にトレーニングして、食事をして、就寝することを心がけています。コンディションが良くなると、精神的にもすごく安定します。疲れていると思考も停止して、すべてにおいて悪循環になります。
――徐々に実戦の感覚は戻ってきましたか?
まだベストの状態ではないのですが、少しずつコンディションを上げていきたいと思っています。でも初戦を終えたあとは、かなり肩の荷がおりました。技術的には去年、ドライバーの飛距離が落ちてしまったので、そこを伸ばすためにトレーニングと練習をしてきました。実際に10ヤードほど飛距離も伸びたので、そこに対して心配はしていません。この1ヤード伸びることがどれほど重要か、分かりますか(笑)。あとはコーチの指導の下、スイングの修正に取り組んできました。実戦になると悪い癖が出てショットを曲げてしまうことが多いので、もう少し時間をかけて自分のスイングを形にしていきたいです。
――今季の目標と今後の計画について教えてください。
今季は計画通りにいけば、日本ツアーは推薦で8試合は出られると思います。まずは今週の試合と前半戦で残り1試合くらい出られればそこで結果を残して、リランキングから後半戦の出場権を得られるようにがんばりたいです。今の私にはそこをがんばるしかありません。仮に1つの試合だけでも上位フィニッシュできればチャンスは訪れると思っています。4月に韓国の試合にも出ましたが、何試合かは母国ツアーに出て、実戦感覚は養うようにしています。とにかく一生懸命やれば、結果はついてくると信じています。