「最後のZOZO」で「PGAツアー初」の試み、女性のカップ切りに注目! #ゴルフ
「日本で開催される唯一のPGAツアーの大会」、ZOZOチャンピオンシップは、タイトル・スポンサーのZOZOとPGAツアーとの6年契約が満了する今年が最後の大会となるが、戦いの舞台であるアコーディア・ゴルフ習志野カントリークラブでは、コース管理における「PGAツアー初」の試みが行なわれている。
各ホールのグリーン上に、その日の設定に従ってカップを切る「カップ切り」を、アコーディア・ゴルフの女性コース管理スタッフが担当。同社の発表によると「全ホールのカップ切りを女性スタッフが担当するのは、PGAツアーで初」だという。
今大会には、全国のアコーディア・ゴルフ運営ゴルフ場から、総勢140名のコース管理スタッフが集結しているとのこと。
「コース管理では、競技がフェアに行われるように、長さを均一に揃えたラフの調整やバンカーならし、グリーンメンテナンスなど、徹底したコース管理技術の下で、ZOZOチャンピオンシップを支えています」
「バンカーは手作業で全ホール均一に。ラフもティーイングエリア横から、すべてが均一に80mmで揃えられています」
そして、最も重要なのが、カップ切りだ。アコーディア・ゴルフには、カップ切りチームが4名おり、そのうち3名が女性。さらに、カップを切る主担当2名も女性だという。
「カップ切りは一発勝負。失敗が許されないプレッシャーの中、垂直にまっすぐホールカップを切ります」
アコーディア・ゴルフ・ゴルフ事業本部・事業企画部の前田修部長いわく、アコーディア・ゴルフ習志野が2019年からZOZOチャンピオンシップの開催コースを務め、PGAツアーからのハイレベルな要求に応える責務を果たしてきたことで、「コース管理スタッフの大いなるスキルアップにつながった」と手ごたえを感じている。
「アメリカでは数多くの大学にアグロノミー(農学)の専攻科があります。芝について専門的に学んだ大学生が在学中にインターンシップでゴルフ場のコース管理部門で働き、その延長上でゴルフ場運営会社などに入社して、コース管理の分野でキャリアアップを図っていくという道が、すでにできています。コース管理の方法や技術もマニュアル化されている。そうした面で、日本はまだまだですが、アコーディア・ゴルフでは、日本では希少な農学部出身者や女性スタッフを積極的に登用。この大会では、2名の女性スタッフがカップ切りを担当しているんです」
ある意味、日本のゴルフコース管理のフィールドの先駆けとも言える2名の女性は、1人がニュー南総ゴルフ倶楽部のアシスタントコースマネージャーの尾崎めいさん(34歳)、もう1人は堺カントリークラブのコーススタッフの金丸綾可さん(24歳)だ。
「最後のZOZOチャンピオンシップ」で「PGAツアー初の女性のカップ切り」が行なわれたことは、日本の他のゴルフ場からも興味深く受け取られるのではないだろう。この試みが、日本のゴルフ界を内側から支えるメンテナンス分野の新たな成長のきっかけになりそうな予感がする。