間違えて覚えている人多発!今すぐ直したいワインの知っておくべきマナー
※お酒は20歳になってから
ワインのマナー、怪しいものが結構ある
ワインのマナーというと、難しそうに思えるものがたくさんありますよね。世間でおおく言われているワインマナーの中には「絶対ダメ!」と強い言葉で言い切っているものが多く、ワインに詳しくない方は身構えてしまうことでしょう。しかし実は、ワイン通ですら誤っているマナーがたくさんあるのです。
この記事では、それホント!?と思ってしまうワインのマナーの実態を、ひとつずつ暴いていきましょう。
ワインの乾杯、グラスを合わせるのはNGってホント?
数多くのワインのマナーの記事や書籍で書かれているのが「ワインは乾杯時にグラスをぶつけ合わない・重ねない」というものです。ワイングラスを、ビールグラスのように音を立ててカンパーイ!とするのはご法度という内容です。
理由は、ワイングラスは繊細で割れやすいから。そこで、かなり強い言葉で、グラスを重ねない!と書かれているのが大半ではありますが、これ、実は必ずしもそうでもないんです。
ワイングラスのメーカーが「グラスをぶつけ合ってOK」としている
世界的なワイングラスメーカーのリーデル社が2011年に動画サイトで「グラスの最も膨れている部分を合わせて乾杯するのはOK」としているのです。ちょっとわかりづらいので、この内容は紐解いて少し解説してみましょう。
ワイングラスにおいて、もろいのはワイングラスの「フチ」の部分。
ワインの「フチ」の部分は口当たりの要と言える部分。そのため、非常に繊細に薄く作られています。この「フチ」同士をぶつけ合わせるとパキッ!!と割れる可能性が高くあります。実際、ワイングラスを拭いていても割れるのは大抵「フチ」の部分からです。多くのワインの解説記事では「グラスを合わせる・重ねての乾杯はNG」としている理由もわかるかと思います。
乾杯の際は「もっとも膨れている部分で」
一方、ワイングラスメーカーのリーデル社は、グラスの最も膨れている部分はグラスの中でも頑丈な部分なので問題なし、としています。「素晴らしい音を奏でられる」「音も含めて五感で楽しんで」(以上引用)とまで動画中で言い切っています。
グラスのメーカーが言っているならばマナーも何もないでしょう。つまり我々は、グラスを重ねて乾杯をすることが、100%NGではないことを覚えておきましょう。
とはいえ、ワイングラスのメーカーによっては、より繊細な作りをしているところもありますから、注意は必要です。持ってみた感じが明らかに薄いグラスや、黙っていても割れそうなグラスも世にはありますので、そのような場合は、避けたほうが無難。
また、シーンにおいてもフレンチなど、騒がしくない場所では音を立てての乾杯は控えたほうが無難です。そのような場では、乾杯はグラスを目の位置くらいまで掲げ、グラスを重ね合わさないのがスマートと言えます。逆にバルなどでは節度をもった範囲でのグラスを合わせての乾杯はOKと考えるべきでしょう。
(引用:リーデルジャパン公式 YouTube動画より)
上記は引用元であるグラスメーカーのリーデル社公式の動画です。グラス同士を重ねて乾杯していますね。
白ワインは液体をクルクル回さない!ってホント!?
ワインの液体をクルクル回すことを「スワリング」といいます。これは、ワインの香りを引き立てる行為ですが、一部のワインのマナーには、 白ワインでは温度が変わるため回さないのがマナー。という記事が見られます。これって本当でしょうか?
結論としては、これは飲み手の好きにすればよく、さして気にしなくてもよいものです。仮に一流のレストランであったとしてもワインの提供温度は完ぺきなケースということは難しく、味わいがリッチな白ワインであれば、より温度の変化を含めて楽しむべきです。スワリング(ワインをクルクルまわすこと)の有無ひとつでマナーとするのは、ワインそのものの敷居を高めるだけと言えるでしょう。
ワイングラスを持つ位置が決まってるってホント!?
原則は、ワイングラスは「細い足の部分を持つ」ことが望ましいとされています。理由は手の温度がワイングラス越しに液体に過剰に伝わって、味に影響が出やすくなったり、ワイングラスに指紋がついて見た目が美しくないなどの要素があります。
突如現れた、ワイングラス「国際マナー」論
一方で、各国の首脳が立食パーティーでワインの「ボウル部」を持っていた写真が出回りました。これらを見た日本の一部のライターが誤った解釈をし、ワイングラスは、ボウル部を持つのが「国際マナーだ」とする説が出てきました。
結論としては、国際マナーなどと言うものは存在しません。海外のWEBサイトや動画サイト等でもワイングラスの脚を持つシーン、ボウル部を持つシーンなど様々です。さらに言えば、ワイングラスを持った昔の「絵画」でも双方の持ち方があることから、海外と日本のマナーは違う、と論じるのはあまりにも乱暴と言えるでしょう。
立食形式の食事など、ワインを「こぼす」可能性があるのであれば、脚の部分は持たず、ボウル部を持つべきです。各国の首脳がボウル部を持っていたのは相手に配慮したTPOであり、その場のシーンに応じた対応であれば、なんら違和感がないと考えるべきでしょう。
大半のマナーは「時と場合による」
多くのワインのマナーというのは、ワインのもつ格式高そうなイメージから“守らねばならないもの” として印象付けられていることでしょう。しかしながら、それぞれのマナーはケースバイケースであることがほとんどです。この記事をご覧になったワインがお好きなみなさんは、ぜひワインのマナーと思われるシーンに遭遇しても知識をひけらかすのではなく、ワインを楽しく飲むことを意識いただければと思います。