4年に1度あるワールドカップの自国大会を2019年に控える日本代表は、現地時間6月11日に敵地バンクーバーのB.Cプレイススタジアムでここまで11年間負けていないカナダ代表とテストマッチテストマッチ（国際間の真剣勝負）をおこない、26―22で辛勝した。試合後、マーク・ハメットヘッドコーチ代行が共同取材に応じた。

集合から約1週間で敵地でのゲームに臨んだジャパンは、序盤、カナダ代表の突進力を活かした攻めに押し込まれ、前半20分時点でのスコアを3―10とした。

自軍ボールの際の堅実なサポートなどを見直したことで13―12のスコアでハーフタイムを迎えたが、後半5分、立ち上がりから劣勢に映ったスクラムから失点。4点ビハインドを追った。

16―17と点差を詰めた後半14分、フランカーの細田佳也が好機のさなかのラフプレーで一発退場。後半29分の松島幸太朗のトライなどで残り3分で26―17と安全圏に入ったが、79分に自陣ゴール前でモールを押し込まれて26―22とされ、ノーサイド直前も防戦一方だった。

ハメットヘッドコーチ代行は今季、国際リーグであるスーパーラグビーのサンウルンブズで指揮を執っている。

帰国後、18、25日にはそれぞれ愛知・豊田スタジアム、東京・味の素スタジアムでスコットランド代表と戦う。日本代表にとって、スコットランド代表はイングランド大会で唯一敗れた相手。

以下、カナダ代表戦直後のハメットヘッドコーチ代行の一問一答（編集箇所あり。※は当方質問）。

――試合を振り返って。

「（現体制下）初のテストマッチということで、緊張もあったと思います。ストラクチャーは完璧ではありませんでしたが、両チームともにいいプレーが出ていた。80分間、思い切ってプレーしていた。特にカナダは、後半、ボールを広く展開していました。残り26分もあるなかでレッドカード（一発退場）が出てしまい、どうなるかと思いましたが、選手たちが耐えてくれた」

――スクラムハーフの田中史朗選手とフランカーの安藤泰洋ゲーム副キャプテンがハーフタイムに交代しました（※）。

「フミ（田中）は、これから詳しい検査が必要ですが、いまのところ（右）肩の脱臼と診断されています。泰洋は今週から患っていた腰痛で、これ以上プレーが続けられない張りだった。それであえなく退場となりました」

――安藤選手は、本人から申し出たのですか（※）。

「本人が、正直に話してくれてよかったです。代わりに出てきた金正奎も、非常によいパフォーマンスをしてくれたと思っています」

――カナダ代表の印象は。

「新しいコーチがタイトな展開をチームに落とし込んでいた。次のワールドカップに向け、チームをイチから作り直すスタートの時期。いいプライドを見せていたと思います」

――スコットランド代表戦に向けた課題は。

「じっくりゲームを観て、検証して、答えたいと思います。チームとしてまだ1週間しか合わせていないので、コンビネーションは深めないといけません。来週から新しく加わる選手もいます。彼らとのコミュニケーションも必要になってくる」

――フォワード2、3列に揃った若手日本人選手のパフォーマンスについて。

「常にフィジカルな挑みができたかといえば、そうではないですね。あとは、最後のところのディフェンスで示した意気込みは、次の試合では最初から出ていないといけません」

――退場を食らったレフリングについて伺います。自軍ボールの接点で、細田選手が相手の妨害役に突っ込んだシーンでした。

「じっくり検証しないと、コメントはできない。ただ、ああいうことはニュージーランドでも議論の対象になります」

――田中選手に代わって登場した茂野のプレーについて。

「海外の経験もあるということで、非常にいいパフォーマンスをしてくれた。ラック周りのディフェンスでもいいタックルをしていた。何よりパスが非常に優れています。田中と一緒に、チームで成長して欲しい」