敗戦目前の「最終回」に3度追いついて、最後はサヨナラ。これ以上の粘り勝ちは過去にあった!?
8月25日、サンフランシスコ・ジャイアンツは、あと2アウトで敗戦のところまで、3度追い込まれた。
9回裏を迎えた時点のスコアは、5対6。ロサンゼルス・ドジャースに1点リードされていて、先頭打者のエバン・ロンゴリアは、ケンリー・ジャンセンに仕留められた。けれども、次のブランドン・ベルトがホームランを打ち、試合はそのまま延長戦に入った。
10回表、ジャイアンツはパスボールにより、1点を取られた。タイブレイクのオートマティック・ランナーに、二塁から生還された。その裏は、試合終了まで1アウトの2死三塁から、マウリシオ・デュボンの三塁内野安打により、スコアをタイに戻した。
11回表、イニングまたぎのタイラー・ロジャースは、最初の2人をアウトにし、3人目のジャスティン・ターナーも討ち取った。だが、これがタイムリー・ヒットになった。打球は一塁側へ力なく転がり、捕球したロジャースが倒れ込むようなダイブでターナーにグラブを差し出したが、ターナーはそれを躱し、一塁に到達した。
そして、11回裏。9回裏と10回裏に続き、先頭打者は凡退したが、ロンドリアロンゴリアのヒットで、またも同点に。そこからは前の2イニングと違い、2死からドノバン・ソラーノがホームランを打った。
スタッツ・バイ・スタッツのツイートによると、モダン・ベースボール(1900年以降)において、9回、10回、11回にリードされながら勝ったのは、ジャイアンツが2チーム目。それまでは、1998年7月24日のフィラデルフィア・フィリーズ(対フロリダ・マーリンズ)だけだったという。
もっとも、22年前の試合は、3度ではなく4度、同点に追いついた。これは、ダブルヘッダーの2試合目。1試合目も、フィリーズは9回裏に1点を挙げて同点とし、12回裏にサヨナラ勝ちを収めた。また、今回の試合には、得点が入りやすい――そのために考案された――タイブレイクが大きく影響している。