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シャープ、新製品「AQUOS R8」はproとスタンダードの2モデル展開で勝負

石川温ケータイ/スマホジャーナリスト
シャープ株式会社通信事業本部パーソナル通信事業部、中江優晃事業部長

シャープはフラグシップスマートフォン「AQUOS R8 pro」、「AQUOS R8」を2023年夏に商品化する。

 昨年発売されたAQUOS R7では1インチイメージセンサーを搭載していた。今回、発表となる2モデルのうち、1インチイメージセンサーを搭載したモデルがAQUOS R8 proとなり、AQUOS R7の後継機種になる。一方、AQUOS R8のイメージセンサーは1/1.55インチだ。

 シャープでは3年前には「なんとなくハイエンドスマホが終焉する」と語っていたが、これからは明確な目的・強い意志を持ってスマートフォンが選ばれる「こだわりハイエンドスマホ」が求められているとしている。

 今回、1インチイメージセンサーモデルは「pro」の名前を冠することで、よりカメラをに特化した位置づけにしたいようだ。

 AQUOS R8 proでは、1インチセンサーイメージセンサーやライカと共同開発した「ズミクロン」レンズなどはAQUOS R7とほぼ同等だ。しかし、新たに14chスペクトルセンサーを搭載し、600種類以上の光源を判定。電球色など、より見た目に近い色再現性を誇るようになっている。

 また、AIエンジンを大幅に進化させ、スイーツや日の出、日の入り、星空、花火などをしっかりと撮影できるようにもなった。

 さらにペットの瞳や全体を追尾できる機能も搭載。ペットを頻繁に撮影する人には嬉しい機能強化となっている。

 またAQUOS R8 proでは放熱対策も進化している。

 カメラリングに熱伝導性のいいアルミニウムを採用。CPUとカメラセンサーからの熱をカメラリングに誘導させることで、表面温度で最大8度、熱発生量の最大30%を削減することが可能だという。

 カメラ撮影やゲームなど、熱が発生するとアプリが停止することもあるが、そうしたことも回避できるようだ。

 一方、AQUOS R8は昨今の時短ニーズを満たす「効率型ハイエンド」として位置づけられている。AQUOS R8 pro同様にSnapdragon 8 gen 2を搭載し、キビキビと動くのが特徴だ。

 6.4インチの画面サイズながら、重量は170g台と軽量で、米国防衛省の調達基準である「MIL-STD-810H」にも準拠しており、衝撃にも強い。

 ちなみにAQUOS R8 proはNTTドコモとソフトバンク、AQUOS R8はNTTドコモのみの取り扱いとなる。

 最近のハイエンドスマートフォンはかなり高価でなかなか手が出しづらい面もあるが、シャープではエントリーモデルとして「AQUOS wish3」も用意することで、幅広いユーザー層を狙っていくようだ。

AQUOS R8 pro(左)とAQUOS R8
AQUOS R8 pro(左)とAQUOS R8

 

 

ケータイ/スマホジャーナリスト

日経ホーム出版社(現日経BP社)に入社後、日経TRENDY編集記者としてケータイ業界などを取材し、2003年に独立。現在は国内キャリアやメーカーだけでなく、グーグルやアップル、海外メーカーなども取材する。日経新聞電子版にて「モバイルの達人」を連載中。ニコニコチャンネルでメルマガ「スマホ業界新聞」を配信。近著に『これからの5Gビジネス』(エムディーエムコーポレーション刊)がある。

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