あなたは言葉の意味や使い方が分からない時、調べたり確かめたりしてますか?
よほどの博学な人でない限り、日常生活の中で自分が知らない言葉や使い方に不安を覚える言葉に遭遇することはよくある。それを放置したままだと、相手の趣旨を把握できずに悩んでしまったり、意図を違えて解釈してしまうかもしれない。しかし調べたり確かめたりするのは手間がかかり、また調べることそのものが苦手な人もいるだろう。今回は文化庁が2023年9月に発表した「国語に関する世論調査」(※)の結果を基に、言葉の意味や使い方が分からない時に、調べたり確かめたりしているかの実情を確認する。
次に示すのは言葉の意味や使い方などが分からない時、調べたり確かめたりするか否かについて、「よくする」「時々する」「あまりしない」「まったくしない」の4選択肢の中からもっとも自分の実情に近いものを選んでもらったもので、そのうち前者2つ「よくする」「時々する」をする派として示したもの。全体では83.1%がする派となった。
全体では28.8%の人がよくする、54.3%の人が時々する、合わせて83.1%の人がする派となった。見方を変えると2割近くの人は、言葉の意味や使い方などが分からない時にも、調べることを(ほとんど)していないことになる。
年齢階層別では、する派は20代がもっとも多く90.7%、それ以上では漸減していくが、それでも60代においても8割以上はする派となっている。16~19歳でやや少なめになっているのは、調べたり確かめることにまだ慣れていないのか、調べなくても自分の推測で補完して、話の流れそのものを優先してしまうのだろうか。
それでは言葉の意味や使い方などが分からない時に調べたり確かめたりする人に、どのような手段を用いるのかを尋ねた結果が次のグラフ。
全体ではもっとも多いのは「検索サイトで検索」で63.2%、次いで「辞書ソフトやアプリ」が39.8%。上位2つはデジタルによるもので、次にようやくアナログ式となる「誰かに教えてもらう」の34.6%が続く。さらに「紙の辞書」26.7%。
年齢階層別では、その年齢階層がどのような手段を普段用いているか、頼っているのかよく分かる結果となっている。「検索サイトで検索」は60代までで一番多い方法となっているが、70歳以上では「紙の辞書」が最大になり、「検索サイトで検索」は大きく値を落としてしまう。16~19歳は「誰かに教えてもらう」が2番目に大きな値だが、これは学校の先生や友達、保護者など教えてもらえる対象が多く、すぐそばにいるからだと考えられる。
「辞書ソフトやアプリ」は案外幅広い年齢階層で使われており、しかも50~60代では5割前後の人が選んでいる。「音声アシスタント」は意外にも高齢層で大いに使われているなどなど。
これら2つの結果を基に、「言葉の意味や使い方などが分からない時、特定の方法で調べたり確かめたりする人の割合」を求めることが可能となる。例えば「検索サイトで検索」は次の通り。
30代のうち75.2%は、言葉の意味や使い方などが分からない時には検索サイトで検索して調べたり確かめたりしている。60代でも半数近くがしていると考えれば、検索サイトで検索する行為が多くの人にとって当たり前のこととなっている実情を知ることができよう。
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※国語に関する世論調査
直近の2022年度分は2023年1月16日から3月15日にかけて、全国16歳以上の個人に対して郵送法で行われたもので、有効回答数は3579人。年齢階層別や男女別などの属性別区分の内容は非公開。
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