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「石川祐希、柳田将洋、もうひとりは…」韓国バレー界の“貴公子”が語る日本男子バレーの強さ

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
柳田将洋(左)と石川祐希(右)(写真:西村尚己/アフロスポーツ)

韓国男子バレーボール界のスーパースターとされるムン・ソンミンをご存じだろうか。

玉木宏似の韓国バレー界のスター

京畿(キョンギ)大学在学中の2006年に韓国代表に選ばれ、同年11月にカタール・ドーハで行われたアジア大会で金メダルを獲得。2008年にはドイツのVfbフリードリヒスハーフェン、2009年にはトルコのハルクバンク・アンカラでプレーしたあと、2010年から韓国プロバレーのVリーグ・現代(ヒュンダイ) キャピタルスカイウォーカースへ。

2013年と2015年にはVリーグ・オールスターMVP、2016年にはVリーグ・レギュラーシーズンMVP、2017年にはレギュラーシーズン2年連続MVPとチャンピオンシップMVPの2冠にも輝き、文字通り韓国男子バレー界の“看板選手”になっている。

(参考記事:【画像あり】韓国バレー界の玉木宏!? “ロス”も続出したイケメン選手ムン・ソンミンの意外な素顔)

実力だけでなく、身長198センチの長身と“甘いマスク”というルックスもあって各種メディアにも引っ張りだこ。

雑誌モデルやテレビのバラエティ番組などに出演することも多いく、2016年にはハン・ソンイ、コ・イェリムら“韓国バレー美女ベスト6”らとともに、『僕らの街の芸体能』に出演し、日本でも人気急上昇中の俳優・大谷亮平ら芸能人バレーチームと対戦したにも登場して話題を集めた。まさに、韓国バレー界の“貴公子”のような存在だ。

長く韓国代表として活躍し、“龍神NIPPON”こと男子バレーボール日本代表との試合にも出場してきただけにその名をご存じのファンも多いことだろう。

そんなムン・ソンミンは韓国男子バレーの現状や日本バレーの印象についてどんな意見を持っているのだろうか。先月28・29日に千葉県の船橋アリーナで行われた『2018男子バレーボール国際親善試合 日本×韓国』出場のために来日した本人に直撃した。

「柳田はサーブが素晴らしく、石川は弾力がある」

「結果的には日本に連敗してしまいましたが、親善試合らしくいろんなことを試せて僕たち韓国チームにも収穫が多い2連戦でした。日本のバレー熱を改めてまた、実感できたのも良かったです」

滞在していた宿舎のロビーで、開口一番にそう語ったムン・ソンミン。“龍神NIPPON”とは2日連続で対戦し、初戦は0-3、第2戦も1-3と落とし日本に連敗を喫したが、その表情に曇りはなかった。むしろ日本のバレーボールファンとの再会を喜んでいるようだった。

「ありがたいことに日本のファンの方々の中には、わざわざ韓国語で書かれた応援ボートを手に声援を送ってくださるんです。プレゼントを下さる方もいらして、感謝しています。たた、最近はアンパンマンのグッズが多いですが(笑)」

2015年に3歳年上のパク・ジナさんと4年の交際を経て結婚し、ふたりの子供を授かったムン・ソンミン。今年春には韓国の人気バラエティ番組『スーパーマンが帰って来た』で、家族と過ごす日常を公開しているが、どうやら息子が大のアンパンマン好きであることは日本のファンにも知れ渡っているようだ。

「僕よりも息子のファンが増えてしまったのですから皮肉ですよね(苦笑)。テレビの番組出演は正直、苦手ですよ。僕はバレー選手なので、コートの中がもっとも落ち着くし、自分に自信を持てますから」

そう語るムン・ソンミンが“龍神NIPPON”との試合で真っ先に感じたのは、日本の選手たちに漲っていた“自信”だったという。特に印象的だったのは、柳田将洋と石川祐希だった。

ふたりのことは以前から知っているし韓国メディアでもよく取り上げられているが、やはり目立ったという。

(参考記事:「憧れの選手」「全部うまい」石川祐希と柳田将洋を韓国はどう見ているか)

「韓国も有望な若手が育っている」

「柳田選手はサーブが素晴らしく、攻撃時の一連の動きに一切の無駄もなくスムーズ。同じ選手という立場ながら、彼から学べるものは多いと思わせるプレーヤーです。

石川選手はまさに次世代のスターですよ。対戦するたびに着実な成長を感じさせるし、プレー全体に弾力がある。世界レベルをもっとたくさん積んでいけば、“強さ”も備えた選手になるでしょうね」

そして、もうひとり。ムン・ソンミンがその名を挙げたのは、西田有志だった。

「背番号11をつけた選手、まだ若いですよね。にもかかわらず萎縮することもなく、堂々としていて、セッターの動きやスピードにしっかりアジャストできるそのプレーぶりには目を見張るものがありました。まだ10代ですよね。これから国際経験を積んでいけば、世界的な選手になるんじゃないでしょうか。そんな可能性を秘めた選手という印象を受けました」

もっとも、韓国にも有望な若手選手は育ってきているという。ナ・ギョボク、チヨン・ジソク、キム・ジェフィなどで、彼らはムン・ソンミンら“韓国男子バレー・イケメンTOP7”を凌駕しそうなポテンシャルを備ええているという。

女子Vリーグとは対照的な男子。だからこそ…

ただ、韓国男子バレーは国際舞台でなかなか成績を残せていない。近年はオリンピック出場はおろか、オリンピック世界最終予選に駒を進めることもできず、今年9月に行われる世界バレー選手権の出場権も逃した。

今年のネーションズリーグでも1勝14敗の最下位に甘んじている状態だ。オリンピックなどで着実に結果を残し、各国の代表クラスも集う活況に沸く韓国女子バレーとは対照的ですらある。

(参考記事:【画像】ミスコン受賞者も!! 韓国Vリーグ女子の“美しすぎる外国人選手”を集めてみた!!)

ムン・ソンミン(著者撮影)
ムン・ソンミン(著者撮影)

「確かに韓国男子バレーは国際舞台で結果を残せていません。ただ、今、韓国男子バレーはひとつの過渡期にあると言えると思うんです」

果たして、男子バレーボール韓国代表のキャプテンにして、韓国Vリーグのスーパースターが語る“過渡期”とは何か。次回はムン・ソンミンが明かす韓国男子バレーの状況について紹介しよう。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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