Yahoo!ニュース

「20-20」の達成回数トップ10。史上最多の秋山幸二は7度のうち3度が「30-30」

宇根夏樹ベースボール・ライター
高橋慶彦 MARH 13, 2008(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

 日本プロ野球において、1シーズンに20本塁打以上と20盗塁以上の「20-20」は、60人が延べ106度達成している。見落としはないと思うが、仮にあったとしても、ほぼこれくらいの人数と回数だ。

 最多は、7度の秋山幸二。そのうちの3度は「30-30」だ。シーズン20盗塁以上は7度なので、20盗塁に到達しながら「20-20」を逃したシーズンはない。30盗塁以上も同じ。こちらも、3度とも「30-30」を達成している。20本塁打以上は11度、30本塁打以上は9度。「20-20」のうち、1度目から6度目までは西武ライオンズ、最後の7度目は福岡ダイエー・ホークスで達成した。

 秋山を筆頭とする、「20-20」の達成回数トップ10は以下のとおり。

筆者作成
筆者作成

 3度以上の「20-20」を達成したこの12人中、石毛宏典は、シーズン30本塁打以上も30盗塁以上も記録していない。それぞれ、1985~86年の各27本塁打と1983年の29盗塁が最も多かった。

 また、山本浩二の30本塁打以上は9度を数えるが、30盗塁以上は皆無。山本とは逆に、30本塁打以上がなくて30盗塁以上がある選手は多く、有藤通世高橋慶彦佐藤孝夫松永浩美佐々木誠の5人がそうだ。有藤と松永の30盗塁以上は、どちらも1度。有藤は1972年に29本塁打と31盗塁を記録し、「30-30」まであと「1」に迫った。佐々木は、秋山と同じく、2球団で「20-20」を達成した。最初の2度が福岡ダイエー、最後の3度目が西武だ。佐々木と秋山は、1993年のオフに、3対3のトレードで球団を入れ替わった。

 秋山と張本勲は、通算300本塁打以上と300盗塁以上も記録している。「20-20」を達成していない選手を含めても、「300-300」は彼らだけ。最も近づいたのは、こちらもと言うべきか、348本塁打と282盗塁の有藤だ。この3人の他には、「250-250」も、504本塁打と266盗塁の衣笠祥雄しかいない。衣笠の「20-20」は2度。1976~77年に、26本塁打と31盗塁、25本塁打と28盗塁を記録した。

 ちなみに、通算本塁打1位の王貞治(868本)は、通算84盗塁。シーズン別では、1961年の10盗塁が最も多かった。この年のホームランは13本だ。一方、通算盗塁1位の福本豊(1065盗塁)は、通算208本塁打。54盗塁の1980年に21本のホームランを打ち、「20-20」を達成している。

 各球団で最後に「20-20」を達成した選手については、こちらで書いた。

「各球団最後の「20-20」達成者。オリックスはイチローが最後。「30-30」は5球団が不在」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

宇根夏樹の最近の記事