このサイ・ヤング賞投手はトレード市場の主役になる!? ここ10登板の防御率は0.62
7月15日、ダブルヘッダーの1試合目に登板したブレイク・スネル(サンディエゴ・パドレス)は、5イニングを投げて7三振を奪い、スコアボードにゼロを5つ並べた。
けれども、パドレスは、フィラデルフィア・フィリーズに逆転負けを喫し、ダブルヘッダーの2試合目も敗れた。
昨オフ、パドレスは、ザンダー・ボガーツを11年2億8000万ドルの契約で迎え入れ、ダルビッシュ有とマニー・マチャドとは、それぞれ、6年1億800万ドルと11年3億5000万ドルの延長契約を交わした。これらの動きからわかるとおり、ポストシーズン進出のその先、初のワールドシリーズ優勝をめざし、開幕を迎えた。
ところが、ここまでは、44勝49敗。ナ・リーグ西地区の4位に位置し、首位のロサンゼルス・ドジャースに10ゲーム差をつけられている。ワイルドカード・レースにおいても、3番手のサンフランシスコ・ジャイアンツとの差は7.5ゲームある。
スネルは、今シーズンが5年5000万ドルの契約最終年だ。オフにFAとなる。2019年の開幕前にタンパベイ・レイズと延長契約を交わし、9ヵ月後にトレードでパドレスへ移籍した。
夏のトレード市場でパドレスが売り手に回れば、スネルは人気を博すだろう。今シーズンの防御率2.71は、2018年の防御率1.89に次いで低い。5年前、スネルはサイ・ヤング賞投手に選ばれた。ジャスティン・バーランダー(当時ヒューストン・アストロズ/現ニューヨーク・メッツ)を僅差で上回った。
しかも、5月25日以降の直近10登板は、2失点が1度と1失点が2度、あとの7度は無失点だ。計58.0イニングを投げ、奪三振率14.12と与四球率3.88、防御率0.62を記録している。それまでの9登板は、45.0イニングで奪三振率9.60と与四球率5.40、防御率5.40だった。
なお、パドレスでは、クローザーのジョシュ・ヘイダーや捕手のゲリー・サンチェスも、オフにFAとなる。
ヘイダーは、与四球率こそ5.03と高いものの、奪三振率と防御率は13.50と1.06。22セーブを挙げ、失敗は3度なので、成功率は88.0%だ。5月下旬にニューヨーク・メッツから移ってきたサンチェスは、移籍後の38試合で打率.197と出塁率.279ながら、8本塁打とパワーは発揮している。
パドレスが売りに出した際、スネルを獲得する球団は、サンチェスもセットで手に入れるべきかもしれない。ここ9登板とも、スネルはサンチェスとバッテリーを組んでいる。