清荒神にフィトテラピー（植物療法）のサロンがオープンしました。フィトテラピーとは、植物のチカラで原因不明の体調不良にアプローチする、ヨーロッパでは知られた伝統療法です。鬱々とする木の芽どきの過ごし方にヒントがもらえるかも。なによりかぐわしい香りに魅かれて行ってきました！

植物療法とは

ユトリロ植物園さんと同じビルの2階にあるMYRTUS（ミルトス）さん。生（なま）の植物の生命力を伝えるユトリロさんとは違った視点で、植物の力を教えてくれます。

サロンの店主・笠井麻有（かさい まゆ）さんは、巡りのよさそうな滑らかなお肌に、親しみやすい瞳が印象的な方。日本ではまだ数少ない、フランス植物療法普及医学協会（AMPP）認定のメディカルフィトテラピストです。

フィトテラピーという言葉に馴染みがなくても、漢方やアロマをご存じの方は多いのではないでしょうか。どちらも広義の意味でフィトテラピーなのだそう。植物のもつ力（生理活性成分）を使って心身を調え、自然治癒力の向上を目指す自然療法です。

「植物を通じて、ストレスや不安を抱えたり緊張した生活を強いられる人たちの背中を押して、元気になる手助けができたら」と笠井さん。

さらに、植物の力について知ることは、自身の体と向き合うことだと言います。

植物が教えてくれる体の弱い部分、不調の原因と向き合うことで、セルフメディケーションができるようになって欲しいのだそう。

そのため、MYRTUSさんでは日本人になじみのあるアロマオイルトリートメントのメニューのほかに、植物について学ぶフィトテラピーサロン（ハーブのハンドバスとお茶+座学）を開いています（いずれも事前予約制）。

お試しメニューを体験

通常メニューは予約制ですが、不定期に開催されるOPEN DAYでは、予約なしで受けられるお試しメニューを実施中です。

たまたま取材日がOPEN DAYだったので、さっそく体験。
まずはカウンセリングを受けつつアロマ選びから。

筆者は季節の変わり目にめっぽう弱く、この季節はいつも謎の痛みと胃腸の不調に悩まされています。気圧の変化にも弱いので、天候不順な今春は夜中に目覚めることもしばしば。そんな不調を伝えたら、オレンジとマジョラム、そしてラベンダーを選んでくれました。

香りを嗅いでからだに聞く

大切なのは、かならず香りを嗅いで、自分にとって心地よいものかどうかを確かめること。

オレンジは甘くて良い香りでした。ラベンダーは良かったけれど、オレンジほど好きではありません。マジョラムは刺激臭が少しだけ気になりますが、全体的に好印象です。

感想をもとに、マジョラムをベルガモットに変更。こちらはアールグレイ・ティーなどで馴染みがあり、もともと大好きな香りです。とはいえ、マジョラムも捨てがたい。

迷っていると、3つのボトルをまとめて嗅ぐことを勧められました。
アロマは、組み合わせることでお互いの機能を高め合う、シナジー効果があるのだそう。2パターンを比べて、ふわりと柔らかい印象のオレンジ、ベルガモット、ラベンダーの組み合わせをチョイスです。

体調で変化する香り

オレンジがいちばん好きだったので、こちらを多めに、そしてラベンダーをいちばん少ないレシピにしました。ところが、実際にできあがったアロマオイルを嗅いでみると、いちばん少ないはずのラベンダーを強く感じます。オレンジは本当に入っているの？　というくらい前に出てきません。
でも、笠井さんはオレンジも十分感じると言います。このように、人によって感じ方が違うのは、よくあることなのだそう。ふしぎな植物のはたらきです。

出来上がったアロマオイルを、ロールオン・ボトルにつめて完成です。手首や首筋などに塗ることもできますが、香りは鼻の粘膜からダイレクトに伝わるため、蓋を開けて嗅ぐだけで十分に効果があるそう。

帰宅して改めて香りを嗅いでみると、それぞれのアロマが際立つことなく、３つがブレンドされた複雑な香りに変化していました。

その後も使うたびに、オレンジを強く感じたり、ベルガモットが前に出てきたり。体調の変化に、合わせ鏡のように反応しているのかもしれません。自身の体調がゆらぐように香りもゆらぐ。呼吸するようなはたらき方がおもしろいですね。
香りが教えてくれる自分のからだ。手軽に体験してみたいという方はOPEN DAYをどうぞ。次回は4月29日の月曜日です。自分だけの香りをみつけたら、ハッピーなゴールデンウィークが迎えられそうです。

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