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【宝塚市】個性あふれる国産ビールとグッとくる古本に酔いしれる。オトナを癒すBARが新規オープン

ぶらっと地域情報発信ライター(宝塚市)
コーヒーではありません。

明日に響かないノンアルコール飲料もいいけれど、仕事やしがらみに縛られるオトナは、酔いたいときもありますよね。古き良き時代や、新しい世界にトリップさせてくれる本が傍らにあれば、言うことなし。本日は、そんな贅沢な願いをかなえてくれるお店をご紹介します。

阪急宝塚線・雲雀丘花屋敷駅近にニューオープン

雲雀丘花屋敷(ひばりがおかはなやしき)は、ヴォーリズ建築を代表する記念館や、有名洋酒メーカーの創業者が設立した学園などで知られる閑静な住宅街です。その反面、誰もが気軽に楽しめるようなお店は多くありません。西口改札から徒歩1分のテナントビルでも、最近まで空き室が多く見受けられました。

店舗前の坂道
店舗前の坂道

ところが今年になって、このビルに次々と新しいお店がやってくることに。パン屋やたこ焼き屋などに続いて11月29日にオープンしたのが、クラフトビールと古本のお店『猫森(ねこもり)』さんです。

シックな店内
シックな店内

ユニークな店名は、

「皆さんにすぐ覚えてもらえるものにしたかった」

 というオーナーのこだわりによるもの。ひとりで切り盛りするお店には、ご自身が足を運んで見つけた個性豊かな国産クラフトビールと、オーナー好みの古本が揃っています。

外が明るい…。
外が明るい…。

さらに、開店時間はなんと午後2時。帰宅する学生たちをドア越しに眺めつつ、ビールを飲む。そんな大人心をくすぐるちょっとした「背徳感」が味わえるお店になっています。

独自の味わいが出せるクラフトビール

実は、記者はそれほどビールに詳しくありません。知っている種類は、日本の大手メーカーが販売するいわゆるラガービールと、イギリスのギネスビールに代表される黒ビールくらい。

クラフト(職人技)という言葉から、大量生産では難しい技術や原料にこだわったビールで、だから美味しいに違いないという大ざっぱな期待があるだけでした。

サーバーの迫力だけで美味しそう。
サーバーの迫力だけで美味しそう。

改めてオーナーにたずねると、

「コーヒーをイメージするとわかりやすいかもしれません」

との答えが返ってきました。

ビールの主な原料は「モルト(麦芽)」、「ホップ」、「酵母」の3種類、そして水。モルトを酵母で発酵させ、ホップで苦みや香りをつけるのが一般的な工程だそう。

「麦芽」をコーヒー豆、「発酵」を焙煎に置き換えると、こだわりのイメージが湧いてきます。
さらに、生姜やとうがらし、山椒といった副材料でスパイシーさを加味したり、桃、柚子、ぶどうなどのフルーツを使うこともあるのだとか。味を想像するだけで楽しくなりますね。

地域限定ならではのボトルも楽しい。
地域限定ならではのボトルも楽しい。

日本国内には、およそ1000ヵ所のクラフトビール醸造所があり、『猫森』さんでは、常時その中から厳選した5~6種類ほどのクラフトビールを提供しています。石川県や和歌山県、愛媛県など産地はバラエティーに富み、さらにグルテンフリーやアルコール度数が低めのビールも用意。アレルギーのある方や、日頃お酒を飲まない方でもトライしやすくなっています。

「一杯300円前後で気軽に飲めるチェーン店と、豆や焙煎にこだわったお店では、コーヒーの味わいは違ってきます。でもそれぞれに良さがあって、シーンに応じてどちらも利用されていると思います。ビールも同じ。その時の気分で、いろいろお楽しみいただけると嬉しいです」

エッジのきいたポップカルチャーから国民的作家の小説まで取り揃えたナイスセレクション

『猫森』さんのもうひとつの楽しみは、カウンター席の後ろにずらりと並んだ古本のセレクション。

渋いセレクションにうなる。
渋いセレクションにうなる。

店名にちなんだ猫本コーナーに、アートやジャズの本、かと思えば吉田健一に、宮部みゆき、さらには村上春樹訳の「ティファニーで朝食を」など、多彩な本が並びます。

こちらはオーナー自身の好みのほか、開業前から通っていたという隣駅・山本駅前の「あおぞら古書店」店主のセレクションなのだそう。

その人生がほろ苦いお酒のような中島らもさんの本も。
その人生がほろ苦いお酒のような中島らもさんの本も。

ほろ酔いでどっぷりと世界に浸れば楽しそうな本ばかりです。

ビールに合うのは間違いない『深夜特急』と、関西人のソウルメイト宮本輝さんの本も並ぶ。
ビールに合うのは間違いない『深夜特急』と、関西人のソウルメイト宮本輝さんの本も並ぶ。

こちらはお店でも読めますし、気に入ればその場で購入も可能です。

ホットビールをいただきました

さて、取材日は寒かったこともあり、ホットビールをオーダーしました。

STOUT(スタウト)箕面ビール(大阪) HOT:800円
STOUT(スタウト)箕面ビール(大阪) HOT:800円

STOUT(スタウト)は、濃厚な香りと味わいが特徴のいわゆる黒ビールです。

もちろんアルコールは感じる(わりと強め)のですが、見た目だけでなく香りも味わいもコーヒーに近くて、ちょっと不思議なビールでした。表面には、しゅわしゅわとガスが湧き、まるで生きものみたいです。

そしてアートな気分にハマる。
そしてアートな気分にハマる。

ビールを温めたのはオーナー曰く「思いつき」だそうですが、オリジナリティあふれるセンスは、このほかにもやはり山本駅前の人気カフェパティスリー・Beurrer Fariner (ブーレ・ファリネ)さんのオレンジピール・ブラウニーや、ビールを使った鶏手羽元など、ユニークなフードメニューに活かされています。取材時にお客様が召し上がっていたカプレーゼ風トーストも、とても美味しそうでした。

いかがでしたか。駅から1分で気軽に非日常へデイトリップ。年末年始も営業するそうなので、次回は時間をとって、ビールと食べ物、そして本をじっくりと味わってみたいです。

店舗情報

Beer & Book 猫森(ねこもり)

■場所:〒665-0805 兵庫県宝塚市雲雀丘1-2-11 ユースクエアプラス雲雀丘花屋敷110

■ 営業時間:14時~21時(ラストオーダー20時30分)
■ 定休日:月曜日
webサイト
公式Instagram
(電話での問い合わせはお控えください)

地域情報発信ライター(宝塚市)

カフェ、庭園、美術館、ときどき神社。新しい出会いを求めて、カメラ片手に足の向くまま、気の向くまま。歴史のあるまち、宝塚の「いま」をお届けします。執筆記事のアザーカットをInstagramで公開中。

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