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増える体重公開は前兆!? “マッスル美女”に沸く韓国のボディメイクブームとは

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
韓国の“美のアイコン”レイヤン(写真提供:TOVIS MEDIA)

自らの“体重”を明かす女性タレントが増えているという。『ORICON NEWS』によると、例えばタレントのローラは49.7kgと体重を公開して、「その自然体が共感を得た」らしい。

そしてその背景には、ボディメイクブームがあり、「体重の数字よりも、フォルムの美しさや、自分にとっての健康的な体重を重視する意識」が高まっているからだそうだ。

そんな報道に触れて真っ先に思い浮かんだのは、韓国の“マッスル・ブーム”である。便宜上「マッスル」と呼んでいるが、ボディビルダーのようなムキムキの筋肉ではなく、美しく健康的な肉体を目指す女性が増えているのだ。日本の「筋肉女子」や「ボディメイクブーム」と同じ文脈といえるだろう。

“女神ボディ”ユ・スンオクの登場でブームに

韓国でそのブームが起こったきっかけは、“奇跡のDカップ女神ボディ”と呼ばれるユ・スンオクだ。

(参考記事:写真17連発!! ドレスの上からでもくっきり…ユ・スンオクの“女神ボディ”

もともとはミス・コリア出身のモデルだったが、2014年にアメリカで行われた「マッスルマニア・ユニバース世界大会」に出場し、東洋アジア女性としては初の5位入賞を果たした。美しく鍛え上げられた“Sライン”が話題となって、ボディメイクブームが広がっていったわけだ。

そこから美しい健康美を求める声が高まり、美の意識が変化していく。

筋トレが話題→タレントへ

その過程で、美女トレーナーが次々と脚光を浴びるようになっていった。トレーナー出身のイェ・ジョンファなどは、さまざまな筋トレ動画をアップしており、その美ボディと美貌が話題になった。

(参考記事:【動画あり】“美人秘書”イェ・ジョンファの「オフィスでできる筋トレ」がセクシーすぎる!!

今ではタレント活動を活発に展開して、テレビにも出演する人気者だ。

新しい“美のアイコン”がテレビや雑誌に登場するだけでなく、「私もあんな体に近づきたい」という女性も確実に増えた。

韓国の文化観光部(日本の文部科学省に相当)が今年1月末に発表した「2017年国民生活体育・参与実態調査」によれば、女性のスポーツ実施率は56.7%(2016年)から58.4%に上昇。特に30代女性たちの生活体育への実施率は62.5%と高く、2016年の同調査時よりも7.7%も高まっているのだ。

スポーツ需要アップ+“マッスル大会”も

しかも同調査の「もっとも行っているスポーツは?」という問いの回答は、1位ウォーキング(31.8%)、2位登山(17%)ときて、3位がボディビル(14.7%)だったのである。

韓国では現在、大小さまざまな“マッスル大会”が行われており、美しく鍛えたボディを競い合っているわけだ。

(参考記事:写真20連発!! 韓国ソウルで行われた“マッスル美女”たちの大会がド迫力!!

そういった大会をひとつの目標にして、美ボディを作っていく。大会で好成績を収めると、一夜にして有名人の仲間入りを果たすことも珍しくなくなった。

日本のテレビ番組『深イイ話』に出演したり、『週刊プレイボーイ』でグラビアを飾ったことがあるイ・ヨンファも、その代表的なひとりといえるだろう。

しかもこういった韓国ボディメイクブームは、メディアや一部の関係者が作り上げたものではない、もう少し自然発生的なものだといえる。というのも、SNSがブームの火付け役といえるからだ。

SNS発のブームという共通点も

前出のユ・スンオクのインスタグラムは20万人にフォローされており、彼女が写真を上げるたびに大きな話題になる。日本でも中村アンやローラ、榮倉奈々、松岡茉優などが自身のSNSで割れた腹筋を惜しげもなく披露しているが、それを見て憧れる人が多いわけだ。

なかでも韓国では“脱アジア級ボディ”レイヤンがインフルエンサーのひとりで、美ボディの伝道師として注目を集めている。

以前、彼女に取材したときに話していたが、レイヤンはもともと体重が70キロもあって太っていたという。そこから努力を重ねて現在の美ボディになったため、彼女の運動法を参考にしたいという人が少なくないのだ。

(参考記事:“脱アジア級スタイル”で知られるレイヤンのSNSがスゴい!!

いずれにしても、日本に先んじて活性化している韓国のボディメイクブーム。「体重という数字にとらわれない」という女性タレントたちの意識の変化は、日本でも同様のブームが起こる前兆のようにも思える。注目してみたい。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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