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親が肩代わりする携帯料金、中学生は月5000円

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ 安全確認のため、子供の求めに応じて小中学生にも携帯電話は普及しつつあるが……

安全確認の連絡用として、子供の要望に応える形で、小中学生にも携帯電話(一般携帯電話とスマートフォンの双方)は普及しつつある。それら携帯電話の使用料金は、子供の支払い能力を考えれば保護者が肩代わりするのが一般的。それではその相場はいくら位になるのだろうか。

次のグラフはソニー生命保険が2013年8月に発表した「子供の将来と教育費に関する調査」を元にしたものだが、これによると小学生の「保護者支払による携帯電話保有率」は2割強で、月額支払金額は2000円強。中学生は6割近く・5000円となっている(支払平均額は使用料を払っている人ベースであることに注意)。高校生ならばアルバイトによる自己負担で携帯電話の購入・使用料の支払いというパターンもあるが、小中学生では困難なため、この値はほぼ小中学生の携帯電話普及率と同じと見なして良い。

↑ 子供に携帯電話を与え、使用料は保護者払いの割合と平均額
↑ 子供に携帯電話を与え、使用料は保護者払いの割合と平均額

小中学生では、利用料金で2倍以上の差が出ている。これは小学生が主に安全確認のために携帯電話を保有しており、利用状況も限定されるのに対し、中学生ではそれ以外に自分の趣味趣向を目的とした利用が増えるから。また今件調査では詳細は不明だが、中学生の方がスマートフォン利用率も高く、結果として使用料も跳ね上がったと考えれる(内閣府発表の(「2012年度版青少年のインターネット利用環境実態調査」によれば、所有携帯電話のうち小学生ではスマートフォンが1割足らずだが、中学生では1/4程度に達している)。

これをもう少し学年区分を細かくした上で再精査したのが次のグラフ。

↑ 子供に携帯電話を与え、使用料は保護者払いの割合と平均額(学校区分別)
↑ 子供に携帯電話を与え、使用料は保護者払いの割合と平均額(学校区分別)

小学校高学年から携帯電話保有率は上昇し、中学3年生では7割近くとなる。一方それと共に支払金額も跳ね上がるが、特に中学生以降の上昇率が著しい。これは上記で解説した通り、「安全確認の連絡以外に、子供自身の趣味趣向用での利用増加」「利用端末の利用が一般携帯からスマートフォンにスライドする」のが理由。

子供に定額制でこづかいを与え、さらに携帯電話の使用料を保護者が支払うと、中学3年生では毎月8000円強の出費となる。また、その総額に占める携帯電話料金は6割を超える。安全上の必要性や、他の娯楽の一部を包括するとはいえ、保護者にとって携帯電話周りの出費は重い負担に違いない。

■関連記事:

小中高校生の携帯電話保有状況をグラフ化してみる(2012年度・青少年のインターネット利用環境実態調査版)

小中学生への定額こづかいは平均で月額2160円

「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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