帝拳ジムのホープ高見亨介 デビューから全KO勝利でプロ4戦目に挑む
日本ライトフライ級6位の高見亨介(21=帝拳)は、デビューから3戦連続KO勝ちを誇る、帝拳ジムのホープだ。
アマチュア時代にはインターハイや国体で優勝し、パリ五輪への出場も期待されたが、プロで世界チャンピオンになる道を選んだ。
次戦に向けてトレーニングに打ち込む高見に、試合への意気込みや連続KOの秘訣について話を聞いた。
──いよいよ4戦目が決まりましたね。
高見:はい、8月5日にフィリピンのランカーと決まりました。
──ライトフライ級で3戦全勝3KO、すごい戦績ですね。ボクシングスタイルの特徴はなんですか。
高見:スピードとカウンターでしょうか。足を使ったりプレッシャーをかけたりと、戦うスタイルは相手によって使い分けています。
──出入りがすごく上手いですよね。距離感も良いですし。見本にしている選手はいますか。
高見:いえ、完全に自分のスタイルですね。足の使い方とか、日本ではあまり見ないかと思います。
──そもそも、ボクシングを始めたきっかけは。
高見:兄がキックボクシングをやっていて、その知り合いに勧められて小学2年生からボクシングを始めました。でも、中学2年生の時に担当トレーナーが辞めることになって、帝拳ジムを紹介してもらいました。
最初はテレビで見た人がたくさんいて、すごく緊張しましたが、いまは自分もプロになったので、先輩達に負けないように、帝拳の顔になりたいです。
──大学に進学せずプロになったのはなぜですか。
高見:小さい頃からプロボクサーになりたくて。きっかけは、パッキャオやメイウェザーの試合ですね。ファイトマネーが破格じゃないですか。
子どもながらに「こんなに稼げるんだ、すごい!じゃあボクシングで世界チャンピオンになろう」って。
本当は、高校も行かずにプロを目指したいほどでしたが、アマチュアのレベルがすごく高いのも知っていたので、高校3年間はアマチュアで経験を積むことにしました。
アマでチャンピオンになれて、パリ五輪での活躍を期待してくれる人達もいたのですが、自分は五輪にあまり興味がなくて、それよりも早くプロで世界チャンピオンを目指したかったので。
──ライトフライ級で身長167cmというのは長身ですよね、減量はきつくないですか。
高見:きついですね。でも、やっとランキング(13位)にも入ったので。減量して動きが悪くなるようだったら変えますが、今のところ落とせる自信はあります。
──試合も近いですが、トレーナー(田中繊大さん)との練習で意識していることは。
高見:ラウンドを重ねても疲れないスタミナとパワーですね。後半に強い相手にもしっかり対応できるよう、意識して練習しています。
──最近スパーリングはしましたか。
高見:アンソニー・オラスクアガ選手としました。プレッシャーのかけ方が上手く、パワーもあって。でも、自分のパンチも当たっていたので、とても自信になりました。
足を使ってペースを握り、得意なカウンターを打ち込む。あとはスタミナと場数を踏むことでしょうか。世界トップレベルの選手とのスパーは貴重な経験になりました。
──その他、スパーで印象に残っている選手はいますか。
高見:岩田翔吉選手ですね。同じ階級で、世界戦にも挑戦されていますし。最初は食らいついていくのに必死でしたが、プロのスタイルにも慣れてきて、今は良い刺激をもらっています。
──今後の目標はありますか。
高見:日本のトップランカーと戦って、タイトルに絡んだ試合をやりたいですね。プロですから魅せる試合ができて、倒せる選手でありたいです。じわじわ詰めて、最後はスパッとキレで倒すのが理想です。軽量級でも倒しにいくところを期待してほしいです。
──ボクシング以外の趣味はありますか。
高見:オフの日はなるべくボクシングのことを忘れるようにしていて、ちょっとおしゃれなカフェを一人でめぐってリフレッシュしています。
プロ入りから破竹の勢いで勝ち進んできた高見。インタビューではあどけなさが残る印象を受けたが、練習ではプロの表情で、キレのあるボクシングを披露してくれた。
デビューしたばかりの新人で「プロらしい勝ち方」を意識できる選手は少ない。
しかし高見は、中学生から帝拳ジムに身を置いてきたため、自然にその考えが身についていたのだろう。
次戦は8月5日、後楽園ホールで行われるライトフライ級8回戦で、同級14位ルーベン・ダディバス(フィリピン)と対戦する。
未来のチャンピオン候補に期待してほしい。
高見亨介(たかみ・きょうすけ)
東京都新宿区出身、21歳、帝拳ボクシングジム所属。日本ライトフライ級6位。プロ戦績は3戦3勝(3KO)。アマ戦績は47戦43勝4敗。趣味はカフェめぐり。