台風12号は史上最強の勢力で上海に上陸 元13号はアラスカへ
続々と発生する台風に、どれがどれだか混乱してしまう今日この頃です。先日、石垣島をすっぽり目の中に入れてしまった12号は、どこに行ったのでしょう。
14日(水)夜、中国東部の浙江省に上陸しています。その数時間後には、中国第3の都市、上海に再上陸をしました。(※)
中国国営メディアによると、12号は上海に上陸した台風としては、1949年の統計開始以来でもっとも強かったそうです。
航空便が運航を取りやめたり、学校が休みになったりしたようですが、42万人が避難をすませていたことや、「危険半円」と呼ばれる、もっとも風雨の強い台風の右側部分が海上にあったことなどから、死者や大きな被害などは伝えられていません。
上海の台風事情
上海は世界でもっとも嵐のできる北西太平洋に面し、世界一の台風常襲国である中国に属しているにもかかわらず、台風の直撃を受けることは多くありません。
でもなぜでしょうか。
それもこれも、一般的な台風の移動コースでは、直撃されにくい場所にあるためです。多くの場合、台風は北東方向に進むため、東に海岸線を持つ上海は上陸しにくいというわけです。「台風なし県」の島根県や富山県などと同じような理由から、台風は近づいても上陸は多くないのです。
元13号はアラスカへ
ところで意外な経路といえば、台風13号はさらに異例のコースをたどりそうです。下がその予想される進路です。
13号は15日(木)に温帯低気圧に変わりましたが、その後も北に直進し、週末にもアラスカを直撃する恐れが出ています。元台風がアラスカに到達することは時々ありますが、今回は940hPaという勢力で陸に上がる可能性も出ています。アラスカでは15メートル級の高波や、ハリケーン並みの暴風が予想されています。
行先の違う台風
今月の台風は、それぞれ行き先が極端に異なっています。
11号は韓国の観測史上3番目の強さで上陸、12号は上海に観測史上最強の強さで上陸し、13号は温帯低気圧としてアラスカに到達、大嵐をもたらす見込みです。
そして14号。17日(土)奄美大島などに近づいて、18日(日)にも九州に最接近もしくは上陸し、その後広く日本列島に大きな影響をもたらす見込みです。
最新の情報を入手して、安全にお過ごしください。
※追記
12号は上海に上陸後、山東省に3度目の上陸、そして遼寧省に4度目の上陸をしました。中国気象局によれば、遼寧省に台風が上陸をするのは2000年以来初で、秋台風としてはもっとも北に上陸した台風となりました。