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大島洋平は「最も本塁打の少ない」2000安打の達成者になるのか

宇根夏樹ベースボール・ライター
荒木雅博 AUGUST 18, 2008(写真:アフロスポーツ)

 大島洋平(中日ドラゴンズ)は、2000安打まであと115本に近づいている。大きな故障さえなければ、今年中に到達するだろう。2012年以降の11シーズン中、最も安打が少なかったのは、2013年の124本だ。昨年は、このスパンでは最少の出場109試合ながら、137本のヒットを打った。

 一方、大島の通算本塁打は、34本に過ぎない。二桁に達したシーズンはなく、5本以上も、2015年の6本と2018年の7本だけだ。

 2000安打以上を記録していて、34本塁打未満の選手はいない。また、現役選手で大島よりも2000安打に近い、1923安打の中島宏之(読売ジャイアンツ)は、そのうちの209本がホームランだ。

 もっとも、大島は、最も本塁打の少ない2000安打の達成者にはならないかもしれない。

 2000安打以上の54人のなかに、200本塁打未満は14人いる。そのうちの3人は、100本塁打未満だ。2038安打の新井宏昌と2133安打の宮本慎也は、それぞれ、88本塁打と62本塁打なので、大島がそれを上回ることはないだろうが、2045安打の荒木雅博は34本塁打。現時点の大島と同じ本数だ。大島のシーズン0本塁打は、1年目の2010年しかなく、過去3シーズンは1本ずつ打っている。

筆者作成
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 1997年から2018年まで、荒木は、キャリアを通して中日でプレーした。大島も、ここまでは中日一筋だ。荒木が2000安打に到達した、2017年6月3日の試合にも、大島は「3番・センター」として出場している。「2番・二塁」の荒木が史上48人目の達成者となるのを、ネクスト・サークルで目撃したということだ。

 この時点で、荒木の通算本塁打は33本だった。シーズン本塁打は、2001年と2008年の4本が最多だ。ちなみに、中日で荒木と併殺デュオを組んだ井端弘和――最後の2シーズンは読売ジャイアンツでプレーした――も、二桁本塁打のシーズンはなかった。1912安打のうち、ホームランは56本だ。

 なお、2000安打以上でシーズン二桁本塁打が皆無の選手は、荒木しかいない。新井は、1986年と1987年に12本塁打と13本塁打を記録している。宮本は、2004年に11本のホームランを打った。荒木の次にシーズン最多本塁打が少ないのは、2432安打の石井琢朗だ。ホームランが二桁に達した3シーズン、1997年、2000年、2004年のいずれも、本数は10本ちょうどだった。

 大島の2000安打をはじめ、今年、達成が期待されるマイルストーンについては、こちらで書いた。

「今年達成が期待される打者のマイルストーン。大島は2000安打、中田は300本塁打、1000打点は4人」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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