お盆の期間にぜひ訪れたい京都の王道スポット
清水寺は奈良の子嶋(こじま)寺にいた延鎮(えんちん)上人が、観音様をお祀りする相応しい場所を探していたところ、清らかな水が沸き出でるこの地にたどり着き、十一面観音を祀ったのが起こりと伝わる。
その後、鹿狩りに来ていた坂上田村麻呂に対して延鎮上人が殺生を戒めたのをきっかけに帰依を受け、その寄進によって本堂が建立された。弘仁元(810)年に嵯峨天皇から宸筆を賜って鎮護国家の道場となり「清水寺」と号している。
奈良の興福寺に属したため、南都北嶺(なんとほくれい)の争いでは比叡山延暦寺と対立し、度々戦乱による被害を受けたが、江戸時代の寛永年間になると、徳川家光によって諸堂が整えられ、現在の形となった。
信仰の中心はなんといっても観音信仰。本尊の十一面観音は秘仏であり、33年に1度の御開帳で、次にその年にあたるのは2033年だ。もちろん清水の舞台を中心とした伽藍の見事さや、舞台から眺める錦雲渓、さらに音羽の滝など見所はつきない。
8月9日(火)~8月16日(火)は千日詣りの時期で、この期間にお参りすると千日分お参りしたご利益がいただけるとのことで、古来、多くの人が訪れている。また8月14日(日)・15日(月)・16日(火)は夜間特別拝観も行っており、本堂内々陣の特別拝観が可能なので、ぜひ訪れてみたい。
また本日のニュースでもあったように、縁結びのご利益で人気の本堂裏の地主神社が、今月19日(金)から3年間の閉門期間に入る。本殿の耐震工事を含む、大掛かりな修理のため、異例の長期間の閉門となるので、その前に参拝しておきたい。
地主神社は縁結びのご利益で知られ、修学旅行生にとっても必須の立ち寄りスポットにもなっている。本殿前の「恋占いの石」に人気が集まっているが、面白いのは境内にある「おかげ明神」。
この裏側に立つご神木の杉の木は「のろい杉」と呼ばれており、丑の刻参りのスポットとしても古くから信仰を集めてきた。その証拠に今でも杉の木に刻まれた五寸釘の跡がたくさん残っている。
現在の信仰とこれまでの信仰。どちらも熱心さは変わらないが、こういった移り変わりを発見するのも、歴史を味わう醍醐味のひとつだ。この夏はぜひお盆のうちに、清水寺へ足を運んでみて欲しい。