2024年宇宙ニュース振り返り 太陽フレア・牛久大仏サイズの小惑星が接近・地球の月が二つに?
今年も残りあとわずかとなりましたが、宇宙では様々なニュースがありましたね。本記事では、その中でも皆さんからの注目を集めた、太陽フレア・牛久大仏サイズ小惑星・二つ目となった地球の月、についてご紹介していきます。
■5月:大規模な太陽フレアが連続して発生、日本ではオーロラも
太陽は11年周期で巨大な爆発現象を起こすサイクルを繰り返しています。この爆発は「太陽フレア」と呼ばれており、強力な電磁波やガスを放出するのです。そして、2024年5月に大規模な太陽フレアが連続で5回発生したことが観測されました。実はその極大期は今年の2024年だったのです。
そして、大規模なフレアが発生した場合、数日で地球に強力なX線が到達し、テレビや携帯電話が繋がらない事態が発生します。過去には航空機との通信が途絶える事故や、変電所が故障し長期間にわたって停電が発生するなどの事態となりました。更に、多数の衛星が制御不能となり大気圏に落下する事件も発生しています。
5月の太陽フレアでは、大規模な事故などは発生することはありませんでした。一方で、ヨーロッパや南半球のニュージーランド、そして日本など世界各地でオーロラの発生が確認されています。
■6月:牛久大仏サイズの小惑星が月よりも近くを通過
2024年6月、牛久大仏サイズの小惑星が地球から29万km以内の領域を通過することが判明しました。地球と月の距離は約38万kmですので、月よりも近い領域を通過する見込みです。この小惑星が発見されたのは、わずか2週間前だったとのことです。
大きさの推定は直径120~260m、皆さんの大好きな牛久大仏は120メートルですので、まさに牛久大仏サイズの小惑星が地球のすぐ近くを通るのです。このようなイベントが起こるのは非常にまれであり、数年に1度しかない頻度です。
地球への衝突が危ぶまれますが、欧州宇宙機関の事前計算によると衝突する可能性はなかったとのことです。もし地球に落下していたら大規模な被害を招きかねなかった小惑星ですが、来年も無事に迎えられそうで一安心ですね。
■9月:地球の月が2つになる?小惑星が9月末に最接近
2024年8月7日、小惑星地球衝突最終警報システム「ATLAS」が、一つの小惑星を発見しました。その小惑星は9月29日より地球の重力に引き寄せられ、一時的に地球の二つ目の月(=衛星)となることが判明したのです。その小惑星は約10メートルと小型であり、目視では見つけることは難しいと考えられています。
9月29日に地球の衛星となった小惑星は、U字を描きながら地球を一周し、56日後の11月25日に地球を離れていきました。その後は元の太陽を中心とする軌道を周回することになります。その後も2025年1月9日に地球へ再度接近すると見られています。何だか今まで地球に衝突しなかったことが逆に珍しく感じてきますね。そして、次の最接近の機会は31年後の2055年だそうです。
今年もたくさんの方にスペースチャンネルの記事をお読み頂き大変ありがとうございました。来年もより一層耳よりの宇宙ニュースを皆さんに届けられるよう活動していきます。
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