打撃絶好調な大谷翔平、今春4本塁打はメジャー4位タイ。打率.579とOPS1.782は隠れ1位。
大谷翔平の打撃が絶好調だ。
今春のオープン戦では、3月16日(日本時間17日)までに7試合出場して、19打数11安打、4本塁打、7打点を記録している。
16日の時点で4本塁打はリーグ4位タイ。トップの5本塁打を放っているのは、ジョイ・ギャロ(テキサス・レンジャース)、ジョク・ピダーソン(シカゴ・カブス)、コーリー・シーガー(ロサンゼルス・ドジャース)の3人だ。
ギャロは40本塁打以上を2度記録している大型スラッガーで、ピダーソンはオールスターの本塁打競争に2度出場、シーガーは昨季のワールドシリーズで2本塁打を打ってMVPに選ばれた。3人ともメジャーを代表する強打者であり、オープン戦とは言え、その3人に次ぐ4本塁打は評価ができる。
エンゼルスは16日の時点で14試合を行い、大谷は指名打者として半分に当たる7試合に先発出場して、その7試合全てで安打を放っている。オープン戦の規定打席には達していないが、20打席以上の打者の中では打率.579とOPS1.782は堂々のトップ。
今春の大谷は数字が良いだけでなく、内容も素晴らしい。
ホームランはセンター方向に2本、左中間に1本、レフトに1本で、ライトに引っ張ったものが1本もない。大谷の持ち味である全方向への長打を発揮しており、シーズンが始まって引っ張る打撃も織り交ぜれば、シーズン30本塁打への期待も高まる。
「スイングが以前のように強いし、全ての打球がセンターからレフト方向なのがとても良い」とジョー・マドン監督も絶賛する。
また、センターへの2本は468フィート(約143メートル)と464フィート(約141メートル)と140メートル超えの飛距離の大きなホームラン。今春4本目は、昨季のサイ・ヤング賞投手のシェーン・ビーバー(クリーブランド・インディアンズ)から放ったもので、リーグ屈指の好投手も苦にしない。2019年には7打数無安打4三振とビーバーに抑え込まれていたが、今春はオープン戦ながら2打数2安打を記録して苦手意識も払拭できた。
オープン戦の成績に一喜一憂するのは無意味だと分かっていても、大谷の桁違いの成績を見たファンはテンションを上げざるを得ない。
大谷本人が「打席ではボール、ストライクの判断も良い。打ちにいっているボール、ファウルになっているボールもストライクですし、見逃している球は比較的ボールになる球なので、振っている結果も良いですけど、振るか振らないかの判断もまずまず良い」と言うように、打席では球の見極めがしっかりとできている。
その結果、今春の大谷は三振が非常に少ない。昨季は153打数で50三振(32.7%)と約3打数に1度の割合で三振に倒れていたのに、今春は19打数で2三振(10.5%)と約10打席に1度の割合まで大きく改善されている。
今春に3本塁打以上を打っている打者は32人いるが、三振数が2以下なのは大谷、エバン・ロンゴリア(サンフランシスコ・ジャイアンツ、3本塁打)、ライアン・ジマーマン(ワシントン・ナショナルズ、3本塁打)の3人しかいない。
「打席内でのバランスが良く、ボールもよく見えている。この調子はシーズンでも続くだろう」とマドン監督が言うように、今季の大谷には期待できそうだ。