勝てない以前に面白くない日本のパスサッカー
面白いか、面白くないか。
サッカーを観戦する上で、これはとても重要な問題だ。少なくとも、僕はこれを一番の価値基準にしている。勝ち負け以前の問題として捉えている。日本代表に対しても同様だ。0勝1分2敗、得点2、失点6という成績より、こちらの方を重視する。そう言い切りたい気持ちを強く持っている。
グループリーグ最下位に終わったブラジルW杯。敗因はいろいろあると思うが、面白かったか、面白くなかったかの視点で語ろうとする人はあまり見かけない。今回は、酷い負け方だったので、そうしたことを考えている余裕がないのかもしれないが、僕の場合は、それこそが真っ先に目に止まった。
面白くない。面白いものに見えない。目に鮮やかなものとして飛び込んでこないことが、結果以上に腹立たしかった。
面白さをどこに求めるかは人によって違う。それは、ともすると感覚的な言い回しに聞こえるが、僕には明確な尺度がある。中盤の面積だ。ボールが回っていきそうな範囲。展開可能なエリアの大きさだ。
多くの日本人と同じように、僕もパスが回るサッカーが好きだ。しかし、一言でパスといっても種類は様々。見たいのは有機的なパスだ。弾けるような展開、胸の透くような展開だ。いかにボールが活き活きと回っているか。それが面白さ
の基準になっている。
中盤のエリアについて敏感になったのは、クライフの言葉を聞いてからだった。
この記事は有料です。
たかがサッカー。されどサッカーのバックナンバーをお申し込みください。
たかがサッカー。されどサッカーのバックナンバー 2014年8月
税込550円(記事4本)
※すでに購入済みの方はログインしてください。