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東日本大震災から13年 高潮・洪水注意報にも復旧の現れ

小杉浩史気象予報士 / ウェザーマップ所属
南三陸町八幡川の堤防(2022年8月 筆者撮影)

2011年3月に発生した東日本大震災により宮城県では甚大な被害が出ました。巨大津波は沿岸部にあった防潮堤を破壊し、さらに津波が河川を遡上したことにより川の堤防にも大きな被害が出たため、気象庁ではこれまで高潮注意報・警報及び洪水注意報・警報の発表基準を引き下げて運用していました。

その後これらのハード面では復旧工事が着々と進められてきました。気象庁ではそうした防潮堤や堤防の状況を鑑み、整備の進んだ地域から徐々に注意報・警報の発表基準を震災前の数値に戻してきました。

そして唯一残っていた気仙沼市・南三陸町の一部地域における暫定基準を今月23日(木)に廃止し、震災前の発表基準に戻すことがきょう発表されました。

宮城県の洪水警報・注意報の暫定基準廃止について

宮城県の高潮警報・注意報の暫定基準廃止について

これで宮城県内の洪水注意報・警報、および高潮注意報・警報の発表基準は全て震災前の数値に戻されることになります。

「発表基準」は、なかなか一般の方が目にするものではありませんし、注意報や警報が発表されてもそれを実感するわけではありませんが、そんなところでも復旧が進んでいることが現れています。

ただこれはあくまで「震災前の数値に戻った」というだけで「どんな大雨が来ても耐えられる堤防になった」という意味ではありません。間もなく本格的な雨の季節を迎えますので、大雨の際にはこれまで通り気象台や自治体からの情報に基づいてご自身の身を守るようになさってください。

気象予報士 / ウェザーマップ所属

東京都出身。大学卒業後、会社員やフリーターなどを経て、2012年に気象予報士を取得。2015年からミヤギテレビにて気象キャスターとして出演中。趣味はバイクに乗ること、目標は「宮城の天気と言えばこの人!」と言われること。南東北の北東から、天気の怖さと面白さをお伝えします。

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