この投手はエンジェルスを去り、エンジェルスと同じく「ポストシーズンから最も遠ざかるチーム」へ
ロサンゼルス・エンジェルスからFAになったマイケル・ロレンゼンは、来シーズン、デトロイト・タイガースで投げる。ファンサイデッドのロバート・マリーが契約合意を報じたのに続き、ジ・アスレティックのケン・ローゼンタールは、1年850万ドルの契約で出来高を含めると最高1000万ドル、と伝えている。
エンジェルスの前に、ロレンゼンは、2015年から21年までシンシナティ・レッズで投げていた。メジャーリーグ1年目の2015年は、主に先発マウンドに上がったが、2年目以降は、ブルペンから登板した(2018~21年は外野手としても出場)。昨オフ、1年675万ドルでエンジェルスに入団したのは、再び先発投手として投げるためだ。
今シーズンは、中盤の2ヵ月離脱を挟み、先発18登板で防御率4.24を記録した。先発再転向は成功、とまでは言えないものの、5イニング以上を投げた14登板のうち、12登板は自責点3以下だった。
タイガースに入団するのも、昨オフのエンジェルスと同じく、先発登板の機会が主な理由だと思われる。
エンジェルスとタイガースは、現時点で「ポストシーズンから最も遠ざかるチーム」だ。どちらも、ポストシーズン進出は2014年が最後。シアトル・マリナーズが2001年以来のポストシーズンへ進み、フィラデルフィア・フィリーズも2011年以来のポストシーズンにたどり着いたことで、この称号を受け継いだ。
ただ、両チームの立ち位置は異なる。来シーズン、エンジェルスがめざしているのは、ポストシーズン進出だ。このままいくと、大谷翔平は、シーズン終了後にFAとなる。マイク・トラウトとアンソニー・レンドーンは、大型契約の半ばだ。それぞれ、12年4億2650万ドルの5年目と7年2億4500万ドルの4年目を迎える。
一方、タイガースの再建は、まだ時間を要しそうだ。ポストシーズンに返り咲くのは、2024年以降だろう。今シーズンは、2020年のドラフト全体1位と2019年の全体5位、スペンサー・トーケルソンとライリー・グリーンがメジャーデビューしたが、2人ともブレイクには至らなかった。ちなみに、ミゲル・カブレラは、来シーズンが8年2億4000万ドルの最終年だ。契約満了とともに、バットを置く気でいる。(「三冠王のカブレラが来シーズン限りで引退する。プーホルスのように有終の美を飾ることはできるのか」)。
今のところ、来シーズンの開幕ローテーションは、エデュアルド・ロドリゲス、マシュー・ボイド、マット・マニング、ロレンゼン、スペンサー・ターンブルの5人となる可能性が高い。このなかに、今シーズン、100イニング以上は皆無。ターンブルは、昨年7月に受けたトミー・ジョン手術からの復帰をめざす。
なお、ロレンゼンとともに、来シーズンのローテーションに加わる予定のボイドについては、こちらで書いた。