食べすぎにはご用心♪京都「千本玉壽軒」さんの三色入りぼうろはスティック形、懐かしの味を新しい形で
全国各地の紅葉シーズンを終焉の時を迎えつつありますね。あっというまに過ぎ去ってしまった儚い秋、皆さんは満喫なさいましたか?
思いのほか色づくまで焦らしてくれた京都ではありますが、相変わらず沢山の観光客の方がその色彩美を目に焼き付けたことでしょうね。私は画面の向こうからでしたので、羨ましい限りです。
さて、京都には悠久の歴史と共に育まれた和菓子が高尚なものからカジュアルなものまで溢れ、訪れるたびに新たな発見をもたらしてくれますね。その中でも今回注目したのはぼうろ。かつてポルトガルから伝来したお菓子は、日本各地でその土地に根付いた形で受け継がれてきました。
今回は、京都にて創業昭和13年「千本玉壽軒」さんの「すてぃっくぼうろ」をご紹介。
ぼうろ、と申しますとややしっとりとした薄いケーキのようなものからクッキーのようなものまでございますが、今回はぽりっとした歯応えが心地よいタイプ。
シンプルな小麦粉と卵の生地はほんのり甘く、その味わいを軽快な噛み心地と共に堪能していくうちに、さらっと溶けていつの間にかその粒子が消えてしまう名残惜しさ。それゆえに手が止まらなくなってしまうのでしょうか。
すっきりとしたお砂糖のすり蜜は心穏やかになるような甘味をもたらし、黒砂糖の蜜はボーロの香ばしさとリンクした深みをも醸し出すなかなかの逸品。珈琲に合いますね。
個人的には抹茶の蜜がお気に入り。というのも、抹茶の香りだけではなくほろ苦さも活かしたフレーバーなのです。白蜜、黒糖ときて抹茶へと辿りつくと、優雅な清涼感と共にふわりと広がるふくよかな苦味。その存在をしっかりと認識した頃には旨味へと変化。どこかノスタルジックなお菓子が、たちまち雅な表情を纏ったお菓子へと変化を遂げるのです。
手がとまらなくなってしまう甘露に、ようやっと3本目にて、ふぅと一息…
10本、これはなかなかのボリュームかと思っておりましたが、気づいたらひとりで完食してしまいそうですね。そんなときは、誰かとシェアしながら京都旅行の計画を立てるのも良いですね。
千本玉壽軒さんの喫茶室、茶寮SENTAMAでは職人さんによる実演を拝見しつつ一服できますし、そちらもコースに取り入れようかな…なんて。
最後までご覧いただきありがとうございました。
柳谷ナオ
<千本玉壽軒>
公式サイト(外部リンク)
京都府京都市上京区千本通今出川上ル上善寺町96
075-461-0796
8時30分〜17時
定休日 水曜