中国と中東(1)
中国が中東・イスラム圏で存在感を増している。去る7月4日にイランが上海協力機構に正式に加盟を認められた。この組織は、2001年に中国やロシアなどのユーラシア5か国によって上海で設立された組織である。この組織への加盟によってイランは、ますます中国との関係を深めるだろう。また6月末、イスラエルのネタニヤフ首相が中国から公式訪問の招待を受けたと公表している。しかも、その前の同月中旬には中国は、パレスチナ暫定自治政府の首班のアッバース議長を国賓として北京に招待し、パレスチナ人への支持を表明した。これ以前から中国はパレスチナ自治政府に食い込もうとしてきた。たとえば同自治政府の外務省の建物そのものを経済援助の一環として中国が寄付している。経済力で外交に影響を与えようとする例は多いが、外務省のビルそのものを寄付しているわけだ。こうした手法はパレスチナに止まらない。イエメンでも同じように中国が外務省の建物を寄付している。中国の建物外交は中東に止まらない。エチオピアの首都アジスアベバにあるアフリカ連合の本部も中国が建設している。
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